手動方向幕と思い出。

鉄道模型
カピの塚
手動方向幕と思い出。
こんばんは、カピの塚です。

ついに(?)買ってしまいました。

●SHM-07 手動前面方向幕 東武8000系本線
SHM-07 手動前面方向幕 東武8000系本線


TOMYTECの東武8000系手動方向幕です。
付属のハンドルを取り付けてぐるぐる回すと、
行先表示がくるくると切り替わります。

まさに東武ファン垂涎の癒し系アイテムです。

★詳細

手動方向幕・東武8000系本線、背面を見る。

背面にもこだわりがあって、8000系電車の乗務員室の壁面の緑色を再現しています。
ちゃんと実物と同じようにのぞき窓が付いているので、
これを見ながら裏から操作するのもまたおつなものです。

ハンドルは、模型らしく背面に取り付けられるだけではなく、
玩具らしく側面に取り付けて遊ぶことも可能ですので、
お好みでその都度付け替えられます。


★実車について

東武鉄道 8000系 電車とは、東武鉄道の主力通勤型電車の一つ。
2両から10両編成まで、2両単位で編成を組むことができる利便性の高い電車で、
最多で712両が在籍し、東武鉄道全線で運転されていました。

ちなみに、712両という数は日本の私鉄においてもっとも両数が多い電車という記録となりました。
これだけ両数が多いと、初期に製造された車両から最後に製造された車両まで、
軽く20年近くの開きがありますので、いろいろと仕様変更が行われたため、
なにかと東武ファンの研究材料になっております。

★時代考証

この手動方向幕ですが、模型としての時代設定を確認してみます。
車体色は1985年以降に採用されているジャスミンホワイト地にブルーとスカイブルーの帯を配した現行の塗装となっています。

方向幕の収録内容から察するに1980年代終わりから1990年代半ばの間を再現したものではないでしょうか。と言いますのも、1988年8月ダイヤ改正で使用開始となった草加行きが入っていることと、1997年3月改正で加わった越谷行きが収録されていないこと、の2点でがその理由です。


実車の写真も手持ちの物を探し出しました!
とはいえ、当時のカピの塚は高校生でお金もそんなに持ち合わせておらず、
よって一眼レフカメラどころか、一般に普及し始めたデジタルカメラすら
持っているはずもなく、これらの写真は“写ルンです”にて撮影したものです。

ピントも絞りもシャッタースピードも撮影場所も、
何もかもが適当で非常にお恥ずかしい写真なのですが、
このくらいの写真しか持っていないのでご笑覧ください。


1997年頃の東武8000系。
8000系8566F他

1997年頃に撮影したものです。
手動幕はその名の通り、実際に係員がハンドルを回して方向幕を巻き上げます。
商品のイメージとしてはこのタイプのものを再現しています。

フォントは、書き出しや「留め」は丸ゴシック風なのですが、
「払い」や「跳ね」はちゃんと尖がっている独得なものです。
さらに均等割り付けになっており、
二文字の行先は両方の文字が両端に寄っているという特徴がありました。


東武では8000系電車の修繕工事に伴って、
自動幕への交換を行っている過渡期でもありました。

1997年頃の東武8000系。
8000系8503F他

修繕工事が行われた8000系(いわゆる更新車)はこのような顔つきになりまして、
方向幕も自動化だけでなくフォントも違うものになっています。
太めの丸ゴシック風の文字で、「払い」や「跳ね」も丸くなりました。
文字の配置も極端に端に寄ることはなくなりました。

ちなみに、TOMYTECさんは更新車仕様の
自動幕も模型化したりするのでしょうか?


★さっそく遊んでみる

せっかくなのでくるくる回して遊びましょう。

浅草(デフォルト状態)

商品出荷時は伊勢崎線の起点である「浅草」がデフォルト状態になってます。
これは東武線を利用している人ならだれもが知っている行先ですね。

ちなみに、長時間同じ位置で止めておくと、
幕にクセが付いてしまうようなので、
お買い上げされたらさっそくハンドルを回して、
他の行先に定期的に変えたほうがよさそうです。


さーて、レアな行先を探そう。

曳舟

「曳舟」は1986年から1990年の約4年間、
朝のラッシュ時に10両編成の準急列車で使われていた行先です。
隣の業平橋駅に10両編成用のホームが出来たあとは曳舟行きは無くなりました。

ちなみに、亀戸線では終日「曳舟-亀戸」と表示していたため、
手動幕・自動幕だった頃に「曳舟」単独の表示はやってませんでした。
亀戸線で「曳舟」と単独表示するようになったのは
ワンマン運転を開始してからですが、幕ではなくLEDであることがポイントです。

業平橋

浅草の隣の「業平橋」。
先ほど曳舟で説明した通り、8~10両編成の列車の発着用に作られた行先です。

現在は業平橋行きの電車は設定されていませんが、
地下鉄半蔵門線との乗り入れが始まる前までは、
8~10両編成の列車の着発用のホームがありました。

羽生

秩父鉄道との乗換駅となっている「羽生」。
1992年まで羽生行きの列車が設定されていました。
これは隣の川俣駅までの一区間が単線だったためです。

ちなみに「はにゅう」と読み、「はぶ」とは読みません。

藤岡

1980年代の停車駅案内図を参照すると、
浅草から日光線方面へ直通する普通列車で
最長のものは藤岡行きだったようです。

藤岡から先、一旦普通列車が走っていない区間がありました。
日光線内は準急が各駅に停車していたので特に問題はないのですが、
そういう事情を知らないとなんだか不思議な案内図でしたね。

よく覚えていませんが、南栗橋が出来てから藤岡行きは大幅に減ったと思います。
板倉東洋大前が開設されると完全に藤岡行きは廃止になりました。

東武日光・東武宇都宮

あまり大きくない行先方向幕に、
二つの行先を書くという荒業です。

これは準急 東武日光・東武宇都宮行きと言いまして、
浅草を8000系の6両編成で出発。
新栃木にて前2両を東武宇都宮行きに、
後4両を東武日光行きにそれぞれ切り離して、
別々の列車になるという設定でした。

もともと通勤快速の行先だったそうですが、
私は準急に格下げされてからの列車しか知らないです。
高校時代、夕方というか夜に1本だけ残ってました。

新鹿沼・東武宇都宮

こちらも先ほどと同様に、新栃木で車両を切り離す作業を必要とする列車の行先ですね。
しかし、これは私も見たことが無いので、いつごろまで使われていたのでしょうね。


★もっとマニアックに遊んでみる

回送

手動方向幕を手にしたら絶対にやっておきたいのがコレ。

とみのん「なんですかバグですか?」
カピの塚「いやいや、これが回送を意味するんですよ」

浅草に到着した列車が、折り返しで回送列車となる場合、
ホーム係員が行先を浅草と隣のコマの間に止め、
列車種別幕を白一色の無表示にします。

行先が読めない=回送列車

というわけです。
手動幕時代は回送列車はこの表示が当たり前でした。

いや、単に白いコマまで巻き戻すのが面倒なだけでしょ?
という野暮なつっこみはやめましょう。

北春日部

巨大な車庫があるため北春日部行きの列車は多いです。
普通列車の北春日部行きだけだと思ったら大間違いで、
かつては準急列車にも北春日部行きがありました。
北春日部って準急通過駅なのにー!


そしてもう一つのマニアポイントといえば、「北春日部」だが「回送」。
これは午前中に北春日部行きだった列車が一旦車庫に入り、
夕方に帰宅ラッシュの準備のため浅草方面へ回送させる際に、
「北春日部」と表示したまま走っていたようです。

「普通」「北春日部」と表示した回送列車が通過するとき、
一部の駅では駅員さんがマイクで「回送電車の通過でーす!」と、
より大きな声で放送している光景が見られました。

こんな怪しい回送列車ですが、
私は小学生のころから高校生の頃まで何度も見たことがあります。
どうやら一度や二度のミスというわけではなく恒常的に行われていたようです。

館林-葛生

「館林-葛生」は、佐野線の方向幕です。
佐野線、桐生線、小泉線、宇都宮線の行先もちゃんと収録されています。
なのに亀戸線と大師線は入ってませんでしたねぇ…。

佐野線、桐生線、小泉線、亀戸線、大師線では、
終日同じ区間を行ったり来たりする列車が多いため、
このような始点と終点の二駅を矢印で繋いだ行先表示をやってました。
いちいち方向幕を巻くのは面倒もとい非効率だからでしょうかね。

そういえば、東上線や野田線にも矢印方式の方向幕がありましたね。


この節の話を読むと、方向幕を巻くのが面d(ry


★オマケ


1997年頃の東武8000系。
8000系8580F他

先ほどの更新車(8503F)のこの日の反対側の先頭は8580Fでした。
両端が2両編成ということは、2両編成を5本つないだ「ブツ10」と呼ばれる
10両編成であることは間違いないですね。

この写真を撮影した場所は、
当時業平橋駅に存在していた8~10両編成用の3~5番線ホームです。
もともと貨物駅だった場所で、京成押上線と都営浅草線の押上駅への
連絡通路を兼ねる形で設置されました。
半蔵門線との直通運転開始後に廃止・撤去され、
現在この場所では東京スカイツリーの建設工事が絶賛開催中です。

撮影から13年経ったのでしょうか。
時代も風景もずいぶんと変わったものです。



というわけで、手動方向幕から始まったマニアックな思い出話で、
今日のブログは〆たいと思います。

また、ホビーサーチBlogの鉄道模型の話題は年内は今日が最後の更新となるようです。今年もおつきあいありがとうございました。良いお年をお迎えください!



担当:カピの塚@また来年もよろしく!







さらにオマケ。
同じフィルムにこんな写真がありました。

東武動物公園のシャトルバス

東武動物公園のシャトルバスの写真。
茨城急行自動車(茨急バス)が運行しているのですが、旧塗装なのが懐かしい!

そして、方向幕は「東武動物公園-東武動物公園駅」。
どっちが先でもわからんですね。

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