こんばんは。カピの塚です。
ある晴れた日のお昼下がり。
見慣れた秋葉原の中央通りです。
休日には歩行者天国になるなど賑わっています。
しかしこの道路の下には…。
そう、秋葉原の中央通りの真下には、
東京メトロ銀座線が通っています。
銀座線は日本で最初に開業した地下鉄であり、
東洋で初めての地下鉄であります。
(関連記事:
2010/01/28)
銀座線といえば、ふつうの電車とはいろいろと違います。
この引き延ばした写真を見て下さい。
銀座線の電車の屋根とトンネルの天井の間は、
わずかな隙間しかありません。
非常に小さなトンネルの中を走っていることがうかがえます。
電車の形もトンネルの形に合わせて作ってあります。
架線も無ければ、パンタグラフもありません。
電車なのにパンタグラフが無い?
実はディーゼルエンジンで動いているとか?…
いえいえ、そんなことはありません。
電車が走る2本のレールの脇に、3本目のレールが敷いてあります。
ここには600Vの電気が流れていて、ここから電源供給を受けているのです。
3本目のレールは、「第三軌条」と呼ばれています。
土台がガイシで、上にはガード用の板があるので、
ビリビリしてそうな雰囲気が見て取れます。
これは末広町駅の写真ですが、
駅を出るとその第三軌条がいきなり途切れています。
電源供給無しで電車は走れるのか!?
いや、そういうわけではなく、
第三軌条は電車の右側にあったり左側にあったり、
場所によって使い分けられています。
駅では、ホームから人が線路に転落した際に感電することが無いよう、
ホームの真下には第三軌条は設置されていません。
よって、駅の前後では第三軌条が右から左に、
またはその逆にポジションチェンジするのです。
過去の銀座線の電車には第三軌条の途切れた箇所を通過する際に、
車内の照明が数秒間消えるという「瞬間停電」が起こるものが一部に存在していました。
地下空間の暗闇の中、車内の明かりが予備灯のみになるのですが、
これに驚いて慌てると非東京人だとバレる…というネタは、
今となっては伝説ですね。
現在の銀座線の電車 01系 では瞬間停電は起きませんし、
予備灯も設置されていません。
ご安心ください。
さて、突如銀座線を訪問したのには訳がありまして、
なんと、KATOから01系電車がNゲージ鉄道模型として製品化されます。
大手鉄道模型メーカーのKATOから…
東京メトロの電車を模型化するのは初めてであり、
地下鉄用の電車を模型化するのは初めてであり、
第三軌条方式の電車が模型化されるのも初めてである。
…という、初めて尽くしの内容が盛りだくさん。
銀座線はトンネルが小さいため電車の車体も小さくて短いのです。
模型では車体が小さくて短いと重量が軽くなりますので、
ウェイトバランスの調整が重要かと思います。
地下鉄なので、ヘッドライトやテールライトの点灯はもちろん、
室内灯の点灯も必要ですね。
従来は汎用品だった室内灯パーツも01系のために新規設計となるそうです。
小さい車体なので限られた空間に取り付けるべく小型化が必要というわけですね。
実物の01系電車は製造時期によって仕様違いがあるのですが、
行先表示が幕になっているものをプロトタイプとするそうです。
ポスター(
KATOホームページ)には
Nゲージで東京散歩
東京メトロシリーズ
まずは銀座線から
とあります。
銀座線に始まり、今後のラインナップも大変楽しみですね。
(路線のアイコンは路線の開業順に並べてありますが、模型化の順序とは関係ないそうです)
KATO #10-864 東京メトロ 銀座線01系 (6両セット)、好評ご予約受付中です。
ところで、東京メトロは銀座線に
新型車両の
1000系電車を導入することをすでに発表しております(ソース:
railf.jp)。
銀座線の顔としてすっかり定着している01系電車も、
1983年の試作車デビューよりもう四半世紀以上が経過し、
先が見えてきました。今後の動向について注目です。
担当:カピの塚
写真:カピの塚
<注意>当記事中の銀座線の写真は許可を得て撮影したものです。