不可能を可能にした奇跡の船「南極観測隊宗谷」乗船レポート その1

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とみのん
不可能を可能にした奇跡の船「南極観測隊宗谷」乗船レポート その1
こんにちは、とみのんです。


連休中に船の見学に行って来ました。
船の科学館にて一般公開されている「南極観測船 宗谷」です。




タロとジロのお話で有名な船ですので、ご存知の方は多いと思います。

宗谷は既にハセガワさんからプラモデルキットが発売されていますが、
10月放送の「南極大陸」のドラマ放映に合わせて、新しくキットが発売されるということで、
模型制作や塗装の参考になれば、と思い取材してきました(`・ω・´)
(閉館前にもう一度遊びに行きたかったというのもありますが・笑)

船内の様子も写真に収めてきたのでそちらも塗装の参考になればと思います。
船内を塗っても結局見えなくなってしまうのですが、
「見えない部分にも凝るのが模型制作の面白さ」だと思うのです^^




ちなみに船の科学館に係留している宗谷は
第3次南極観測時(1958年)のものを再現しています。
同じものがハセガワさんから発売中です。(1/350スケール)



宗谷は南極観測の為に作られた船なんだろうと思っていのですが、
資料を読み進めるうちに、元々はソ連用の貨物船として作られ、
南極観測に向かう前は多方面で活躍していたことがわかりました。

ざっくりとまとめますと、


1936年      ソ連用の耐氷型貨物船「ボロチャベツ」として長崎で起工。
1938年      国政情勢悪化でソ連へ引き渡しせず、民間貨物船として「地領丸」に変更。
1939~1945年 日本海軍特務艦となり「宗谷」に改名
1945~1948年 在外邦人の引き揚げ船として改造される。輸送人数は3年間で19000名。
1949~1955年 またもや改造され、海上保安庁の灯台補給船としての任務に就く。
1956~1961年 南極観測船となることが決定し、6回に渡る南極観測へ従事する。
1962~1978年 改装工事が行われ、海上保安庁巡視船として勤務地が北海道へ。
1978年      解役が決定。
1979年~    記念艦として船の科学館にて一般公開開始。


・・・と、何度もジョブチェンジと装備改造を繰り返し、今に至ります。
波乱万丈な生涯を送っていますよね。超働き者です。
起工から70年以上たった今も、舫を解けば出航できてしまうという所がまたスゴイ。


スゴイと言えば。
第一次観測に向かった時、宗谷は建造18年の老朽船だったことに驚きます。(船の寿命は20年ほど)
戦後の日本にはお金がなかった為、新しく船を建造することは無理だったので、
修理・改装した宗谷で危険な海域への航海へと出航しました。
隊員達は決死の覚悟で向かったのでしょうね・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

さらにその後も修理・改装を繰り返し、
最終的に6回も南極観測に行ってしまった所がまたスゴイ。





左舷から見た宗谷。

鮮やかなアラートオレンジ色のボディが美しいですね。
真っ白な雪の中で一番目立つ色として、この色が決められました。




何度も改装をした為、よく見ると継ぎ接ぎだらけのボディをしています。




お尻も継ぎ接ぎだらけ。



もうひとつ、スゴイことといえば、宗谷はものすごい強運の持ち主でした。
例えば、アメリカ潜水艦の魚雷が命中したと思ったら不発に終わったり(しかも機雷で反撃して撃沈してしまう)
壮絶な空襲で他の船が次々に撃沈されていく中、宗谷だけが大した被害を受けなかったりと
不思議に「宗谷」だけは難を逃れて無事に任務を果たすことができるのです。
そのことから「奇跡の船」と呼ばれています。


老朽船であった宗谷が南極観測船に抜擢されたのは、砕氷能力があること以外に
彼女の持つ強運に"かけた"というのもあるかもしれません。




そんなこんなで色々あり、不可能と言われていた南極に見事辿り着いた宗谷ですが、
実際に見てみるとその小ささに驚きます。
この小さな船で、過酷な南極観測に挑戦したのかと思うと感慨深いです。
写真は展望台から撮ったもの。
隣の青函連絡船「羊蹄丸」と比べると大きさの差がわかりますね。





当時、救命艇は左右に2隻ずつあり、救命いかだを合わせて乗組員全員が乗れる130名分を確保していました。 巡視船になった後は不要分を撤去され、今の状態に。
タイタニックも、きちんと人数分の救命艇を乗せていたら、
もっと違った結末になっていたかもしれませんね・・・。




船体に近寄った時、船のお腹に魚のヒレのように横に張り出している部分が気になりました。
この部分は「バルジ」と言い、船を左右に揺らして氷を割るため等に使います。
さらに、バルジを作ることによって船体が二重構造になるので、耐久性が上がり、安定性も増します。




わくわくしながら甲板へGO!

まず目に飛び込んでくるのが白く輝くブリッジ(操舵室)。
外からだと広くみえるのですが、中は意外と狭いです。(操舵室も後でご紹介します。 )
その下にはでかでかと「NO SMOKING」の文字が。
こんなに大きく禁煙アピールしてる船は初めて見ました(笑)




同じ立ち位置から前方を見るとこんな感じ。
救命浮環の色も南極観測当時の色に塗り替えられています。




青空に向かってそびえ立つ前部門型マスト。




海上保安庁の所属を示すファンネル(煙突)マークは宗谷にはありますが、
後継艦である「ふじ」「しらせ」にはありません。




甲板を突き進み・・・・






いざ、船内へ!!

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                     三 `J

※危険ですので船内を走ってはいけません!








・・・・といきたい所ですが、
長くなってしまったので今日はこの辺で一旦終了します。



明日につづく!



担当:とみのん
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