こんばんは、カピの塚です。
4月19日(木)に行われたTOMYTEC新商品説明会(東京会場)のレポートです。
今回は、TOMIXのNゲージ車両の試作品をダイジェストでご紹介いたします。
▼【限定品】 JR キハ58系 ディーゼルカー 「かすが」セット (2両セット)
2012年静岡ホビーショー受注限定品はJR東海のキハ58系ディーゼルカー「かすが」です。早速試作品が展示されておりました。
急行「かすが」は関西本線の名古屋~奈良間で運転されていた列車です。
内装は茶色のリクライニングシートを再現したパーツが装備されます。写真手前のキハ65形3001号はシャッター式タイフォンを再現となります。
▼485系特急電車初期型 (基本・4両セット)
▼489系特急電車初期型 (基本・4両セット)
本日発表となった、485系初期型・489系初期型です。要するにボンネット形の先頭車を含む初期の485系と、その横軽協調仕様の489系です。489系は上野寄り先頭車の連結器カバーが無いのが最もわかりやすいポイントでしょう。
このほかに、485(489)系特急電車初期型(増結M・2両セット)、485(489)系特急電車初期型(増結T・2両セット)、サハ481(489)形初期型、サロ481(489)形初期型、サシ481(489)形初期型、が予定されていますが、これらの増結車は485系・489系とも共通となります。
▼JR 583系 電車(きたぐに) (基本・6両セット)
▼JR 583系 電車(きたぐに) (増結M・2両セット)
▼JR 583系 電車(きたぐに) (増結T・2両セット)
2012年3月のダイヤ改正で定期運用が無くなってしまった急行「きたぐに」の583系電車です。今回のセットでは先頭車はクハネ581形となっています。またモハネ583・モハネ582のユニットの床下は新規金型で作成との話。すなわち、最終日の運用を再現できるようなセット構成となっておりますので、事実上の「さよならきたぐに」と位置付けてよいかと思います。あえてセットが基本と増結に分かれているのは、おそらくは前回品をお持ちの方への救済策と考えられます。
▼北近畿タンゴ鉄道 KTR8000形 (基本・2両セット)
▼北近畿タンゴ鉄道 KTR8000形 (増結・2両セット)
特急北近畿と併結運転を行っていた北近畿タンゴ鉄道のKTR8000形気動車で、タンゴディスカバリーの愛称があります。
色付きの試作品がようやくお披露目となりました。
「俺の知っているタンゴディスカバリーと違う…」
どうも緑色に違和感が…。
本来はもうちょっと水色っぽい気がします。
担当者の方のお話では、色の修正が決定しているそうです。
次の試作品を見る時または本番製品発売までに期待しましょう。
▼JR 24系25形 (あさかぜ・JR西日本仕様) (7両セット)
好評発売中の
複線曲弦大トラス鉄橋(赤)上に展示されていたのは24系25形寝台特急「あさかぜ」のJR西日本仕様です。この編成で最も特徴的なのは、写真のスハ25-300形で、屋根にパンタグラフを搭載しています。一般的な24系25形は発電機を積んだカニ24形をサービス電源としていますが、この編成はここからサービス電源を編成に供給しているのです。
▼【限定品】 JR EF63形電気機関車 (18・19号機・茶色) (2両セット)
JR信越本線の碓氷峠区間が廃止される直前に、EF63形の18号機と19号機は登場時の茶色に塗り替えられておりました。過去に一度発売していますが、今回はそれをリニューアルしての登場となります。前回品よりも細密化された部分が増えておりますので、期待したいですね。
▼JR 169系 電車 (長野色) (基本・3両セット)
▼JR 169系 電車 (長野色) (増結・3両セット)
こちらも、碓氷峠の末期を再現するには欠かせません、長野支社色の169系です。先ほどのEF63形との協調運転もお楽しみいただけますね。
過去に一度発売しておりますので、今回はリニューアル品となります。やはり従来品よりも表現が全体的にシャープになっている印象です。
▼国鉄 ED75 (ひさし付・前期型)
数あるED75形の中でも初期に製造されたグループを模型化。前面窓上にはひさしが付いており、精悍な顔つきとなっています。試作品はまだ未塗装の状態と思われます、ナンバープレートなど一部を除いてある程度部品が揃った状態のようです。
▼国鉄 EF64-1000形 電気機関車 (前期型)
EF64形とは異なる趣となった1000番台です。こちらは国鉄時代の塗装です。ホイッスルや前面の手摺などの細密化が目に付きます。既に発売中の
1001号機や
JR貨物更新車と同様、良い仕上がりになりそうです。
▼JR EF64-1000形 電気機関車 (JR貨物更新車・広島工場色)
JR貨物では所有する機関車の延命のため更新工事を行いましたが、その一つがこちらの広島工場色です。前面警戒色がクリームからホワイトに、車体全体のブルーも少し控えめに、サイドにはホワイトのストライプとJRFロゴが入り…という塗り分けです。模型は先述の通りここ最近の電気機関車製品と同様の水準で作られています。
▼JR 209-3000系 通勤電車 (川越・八高線) (4両セット)
JR八高線の南側の電化にあたり、新製投入された209系3000番台です。川越線と八高線で直通運転を行っております。
前回品は「限定品」として今では幻のセットとなりましたが、今回晴れて再登場となります。
単なる再生産ではなく、現在の実車に合わせて一部開閉化改造された側面窓サッシを表現するほか、動力車はフライホイールが採用されます。もちろん、京浜東北線や南武線の基本番台には無いドアボタンの表現など、独自仕様にも注目です。
ちなみに、鉄道コレクションでは
103系3000番台が、また他社からは
209系3100番台、
205系3000番台がそれぞれ発売予定もしくは発売中ですので、今なら川越線・八高線の電車のほとんどをNゲージでコレクションできる状況にあります。
▼JR E231-800系 通勤電車 (基本・4両セット)
▼JR E231-800系 通勤電車 (増結・3両セット)
JR中央線・総武線から、地下鉄の東京メトロ東西線に直通する各駅停車用の電車です。まさかTOMIXがこれを製品化するとはと驚きましたねぇ。E231系は車体幅を広げて乗車定員を増やすことに成功しておりますが、800番台は地下鉄の乗り入れる都合上、車体の規格を地下鉄側に合わせる必要がありますので、従来の209系などと同様に膨らみのない一般的な車体となっています。
試作品は今回ようやくお目見えとなりましたが、塗装済みの状態は先頭車のみで、中間車はまだ未塗装の状態で展示されておりました。とはいえ、形状、細部表現、帯色など、印象把握はバッチリではないでしょうか。さて、製品は基本4両セット×1、増結3両セット×2で、実車と同じ10両編成となります。
▼JR E501系 通勤電車 (基本・5両セット)
▼JR E501系 通勤電車 (増結・5両セット)
常磐の上野口の普通列車用として登場したE501系は、209系と同様の車体デザインを採用しながら交直両用電車となり、シーメンス製のVVVFインバータを装備して加速減速時に音階を奏でるなど、なかなか個性的な電車となりましたが、常磐線の運行形態変更に伴い、現在は土浦以北と水戸線のローカル運用となっています。
TOMIXでは過去に一度発売しておりますが、それから十数年経っており、今回リニューアル発売となりました。ただし、床下機器がグレー塗装に変更された後の姿を再現しますので、前回品とは時代設定が異なります。
なぜに床下がグレーに塗り替えられたのか、というのは意外に謎です。常磐線の電車のうちE501系や415系などの交直流電車の整備を行っている郡山工場が、2003年頃から床下機器や台車を塗る塗料をグレーに変えたのです。色を変えた意図は不明ですが、これによりJR東日本管内で床下機器や台車がグレーになっているもののだいたいは郡山工場のお仕事ですね、と一目でわかるようになりました。
今回のセットでは、基本セット×2+増結セット×1で、常磐線で大活躍していた15両フル編成を再現できます。残念ながら、6号車のサハE500形は今回のリニューアルでも新規作成されず、前回品同様にサハE501形で代用となります。細かいところまでこだわるTOMIXでありながら、何か大人の事情があるのでしょうか。
▼東武 100系 スペーシア (雅カラー) (6両セット)
▼東武 100系スペーシア (オレンジカラー) (6両セット)
▼東武 100系 スペーシア (粋カラー) (6両セット)
東武鉄道では東京スカイツリーの開業に合わせ、特急電車の100系スペーシアをリニューアルしました。
従来はホワイトを基調に、日光線系統の優等列車に採用されているレッドとオレンジのラインを配したものでしたが、リニューアルに伴って3パターンが新たに登場しました。塗り分けの仕方はほぼ同じですが、採用されている色が変わり、従来オレンジ(と側面窓回りのブラック)だったところは「雅カラー」では、東京スカイツリーの点灯パターンの一つの「雅」をイメージとした江戸紫を、「粋カラー」では同様に点灯パターンの「粋」をイメージして淡い水色になっています。また、従来レッドの細い線だったところは、東武グループの新しいイメージカラーのフューチャーブルーとしています。「オレンジカラー」編成のみ従来の日光線系統のイメージイメージカラーであるオレンジが引き継がれていることになります。
「SPACIA」の新ロゴです。
側面方向幕の脇に東武グループの新CI「TOBU」が入っています。
展示サンプルは手塗り試作品と思われますので帯の塗装にやや難がある状態でした。工場テストサンプル品のボディも展示されておりましたが、こちらはクッキリとした塗り分けになっていました。
なお、
現行仕様も合わせて再生産されます。
▼TCS 自動踏切II (F)
前回の説明会の時は透明な状態の試作品でしたが、今回はほぼ完成形態になっていました。
TOMIXの自動踏切は遮断機の動く速度や、音のリアルさなどを追求しておりますが、今度のリニューアルに伴ってワイドPCレールにも対応します。
もともとカーブ区間にも設置ができる自動踏切というのが売りでしたが、さらにカント付きレールにも対応できるようになりました。
カーブ区間の踏切をカントで車体が傾いた状態で電車が通過するとはリアルですねぇ。
遮断機の動く速度はリアルなのですが、動きがぎこちない印象でした。
警報ランプの点灯や警報機のサウンドは非常にリアルなギミックです。
警報音はなんと8種類も収録されてます。
実際に切り替えの実演を行っていましたが、いくつか聞き覚えのあるものが入ってました。
そのうち1種類は間違いなくこの近所で聞こえるアノ音色だなと思ったら、やっぱり京成線で収録されたものでした。
「新京成線にはもっとカントのキツイところにある踏切がありまして…」
と、TCS自動踏切II開発担当の人がお話しているところを見ると、京成線の警報音が収録されるのも納得がいきます。
G社とM社の京成電車をコレクションされている皆様、京成線の再現にぜひ。
東武100系スペーシアは
東京スカイツリー&東京スカイツリータウンと同様、東武鉄道の沿線にあるTOMYTECらしいお仕事だなと思うところでしたが、TCS自動踏切IIに収録されている京成線の警報音を聞くとTOMYTECは京成電鉄沿線でもあることも忘れちゃいけないなーと思った今回の商品説明会でした。やはり担当の方々が「こういうものを創りたい」という拘りと強い意志を持って開発・設計に臨んでいることを再認識いたしました。
さて、他にキハ55系の一部(塗装済みサンプルありました)、16番のEF63(無塗装状態のボディのみ)などもありましたが、サンプル写真はここでは全て紹介しきれませんので、後程商品ページに掲載していく予定です。
鉄コレのレポートは時間の関係で後日記事にできればと思います(来週は大量入荷の一週間で大変なことになりそうなので記事編集が間に合うかどうか…)。
それではまた次回。
担当:カピの塚@Fate/Zeroを見た後にモーレツ宇宙海賊を見ると、冒頭で衛宮切嗣が語っている錯覚に陥ります。おすすめ。
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