こんにちは、カピの塚です。
JR常磐線の特急列車「フレッシュひたち」「スーパーひたち」が、
2013年3月のダイヤ改正よりE657系に統一されます。
これを機に、特急「ひたち」の歴史をNゲージで振り返ってみましょう。
1969年~ (昭和44年)
特急「ひたち」、登場。
「ひたち」の名前はもともとは451系などを使った急行列車に使われていましたが、
他の急行列車への整理統合によって一旦「ひたち」の名前を冠した列車は姿を消しました。
その後、キハ81系を使った気動車特急として「ひたち」が登場しました。
当初は、羽越本線経由の特急「いなほ」との間合い運用となっていました。
電化区間を走る特急なのに気動車が使われるというちょっと変わった列車でした。
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KATO キハ81系 「くろしお」 (基本・7両セット)
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KATO キハ81系 「くろしお」 (増結・3両セット)
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KATO 【Assyパーツ】 キハ81系 はつかり ヘッドマーク (セット対応分)
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KATO 【Assyパーツ】 EF80 常磐無線アンテナ (4個入り)
Nゲージ完成品では、KATOから特急「くろしお」仕様が発売中です。
特急「ひたち」での運用を終えたあと、和歌山に転属して「くろしお」として使われましたので、
1972年(昭和47年)3~9月頃の特急「ひたち」に非常に近い仕様・編成内容となっています。
Assyパーツのキハ81系「はつかり」ヘッドマークセットには「いなほ」特急「ひたち」が含まれていますので、
これを装着することでお手軽に特急「ひたち」を再現できます。
また、キハ81の屋根板には常磐線時代を象徴する常磐無線アンテナの台座跡が表現されていますので、
Assyパーツの常磐無線アンテナを取り付ければさらにリアルになるかと思います。
なお、常磐無線アンテナを取り付ける場合は加工が必要です。
1972年~ (昭和47年)
特急「ひたち」、電車化される。
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TOMIX 国鉄 485系 特急電車 (クロ481-0) (基本・4両セット)
1972年の夏に臨時便に485系(483系含む)が導入されたほか、
10月からは本格的に485系に置き換えが行われました。
この頃の編成では上野寄り先頭車にクロ481形を連結しており、
先頭車がグリーン車となっていました。
1978年~ (昭和53年)
両先頭車がクハとなる編成も登場。
先ほどの片方の先頭車がグリーン車となっている編成と並行して、
両方の先頭車が普通車で中間にグリーン車が入る編成も登場します。
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KATO クハ481 100
こちらはKATOのクハ481形100番台の単品です。
485系セットの先頭車をボンネットタイプに差し替えたい場合にご利用ください。
1986年~ (昭和61年)
非貫通型先頭車のクハ481形300番台が再び特急「ひたち」に登板する。
非貫通型先頭車クハ481形300番台はこの数年前に九州からのボンネット型先頭車の大量転属により、
特急「ひたち」から一度は撤退しましたが、この年は特急「ひたち」が増発された関係で再び登板となりました。
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KATO 485系300番台 (基本・6両セット)
この車両セットでは両端の先頭車が非貫通型のクハ481形300番台となっています。
この時代、電化された日本各地の幹線では485系による特急が運転されており、
この顔がエル特急を象徴する車両と言っても過言ではなかったと思います。
1989年~ (平成元年)
651系 特急「スーパーひたち」登場。
国鉄が分割民営化されてJRが発足したあと、
JR東日本が最初に開発した特急電車がこの651系です。
常磐線に投入され特急「スーパーひたち」と名付けられました。
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KATO 651系 特急「スーパーひたち」 (基本・7両セット)
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KATO 651系 特急「スーパーひたち」 (増結・4両セット)
651系はKATOからのみ発売されています。
実車のリニューアルに合わせて模型も仕様変更が行われ、
現在も定期的に再生産が行われて発売が続けられています。
この翌年の1990年は特急「ひたち」のグリーン車連結が廃止となり、
グリーン車は特急「スーパーひたち」のみの設定となりました。
1992年~ (平成4年)
485系の塗装が変更される。
この年、485系を灰色の濃淡をベースに黄緑色の帯という塗り分けに変更した編成が登場しました。
651系に揃えたデザインなのでしょうか。
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MICRO ACE 485系 ひたち色 勝田電車区 K10編成タイプ 特急「ひたち」 (7両セット)
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MICRO ACE 485系 ひたち色 勝田電車区 K7編成タイプ 特急「ひたち」 (7両セット)
いわゆる「ひたち色」とも呼ばれる、特急「ひたち」限定の塗装です。
上記の車両セットは、グリーン車が廃止されているため、
元グリーン車だった車両は車内を普通車に格下げ改造されたものを再現しています。
なお、MICRO ACEのほか、かつてはTOMIXからもこの塗装の車両セットが発売されていました。
この年は特急「あいづ」と兼用している編成が間合いで特急「ひたち」に使われる場合に限り
グリーン車が連結されるという特殊な運用がありましたが、
翌1993年(平成5年)に「あいづ」が廃止されたため、
僅か1年で特急「ひたち」のグリーン車が再び廃止となりました。
1997年~ (平成9年)
E653系 特急「フレッシュひたち」がデビュー。
E653系 特急「フレッシュひたち」がデビューしました。
特急「フレッシュひたち」は特急「スーパーひたち」よりも運行区間が短く、
また停車駅が多い、グリーン車が無いモノクラス編成、といった特徴がありますが、
実質的に485系で運行されていた特急「ひたち」の置き換えとしての位置づけだったようです。
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MICRO ACE E653系 特急「フレッシュひたち」 黄編成 改良品 (7両セット)
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MICRO ACE E653系 特急「フレッシュひたち」 緑編成 改良品 (7両セット)
E653系は基本7両編成には「赤」「青」「黄」「緑」の4色が、
付属4両編成には「朱」がそれぞれテーマカラーとして使われ、
まるでプリキュアのようにカラフルでした。
MICRO ACEからは各色がNゲージ化されている上、
改良版も発売されている人気商品となっています。
翌1998年(平成10年)12月に、485系 特急「ひたち」は廃止され、
651系 特急「スーパーひたち」とE653系 特急「フレッシュひたち」の二本立てとなりました。
2012年~ (平成24年)
E657系がデビュー。特急「スーパーひたち」特急「フレッシュひたち」に投入される。
この年の3月に運転された臨時特急「復興いわきフラガール号」にてデビューし、
同月17日のダイヤ改正より特急「スーパーひたち」特急「フレッシュひたち」として定期運用に入りました。
既に活躍中のE257系やE655系の実績を踏まえて開発された車両となります。
651系やE653系とは異なり編成の分割・併結が無いシンプルな10両編成となりました。
また、外観の塗装は651系とE653系の配色を組み合わせて新たにデザインした印象となり、
それぞれの車両の後継であることをうかがわせます。
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KATO E657系 特急「スーパーひたち」 (基本・6両セット)
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KATO E657系 特急「スーパーひたち」 (増結・4両セット)
模型はKATOからいち早く製品化され、
基本6両セットと増結4両セットの2セット構成となっています。
ヘッドライトの色の使い分け、鮮やかな赤紫の帯、
シンプルながらアンテナが目立つ先頭車屋根、
交直流電車ならではのパンタグラフ周辺に機器がモリモリ。
模型的にも面白い部分が多いのが特徴です。
この前年(2011年(平成23年))は東日本大震災が発生し、
常磐線のいわき以北は津波や原子力発電所の事故の影響で運転再開が出来ない区間が生じました。
震災前、JR東日本ではいわき駅で特急列車の系統分離を計画しており、
いわき駅~仙台駅間にE653系を使った新しい特急列車を設定し、
その列車名の募集を行っていましたが、
震災と原発事故によって常磐線そのものの復旧の見通しが立たなくなり、
新しい特急列車のデビューは無いまま現在に至ります。
2013年~ (平成25年)
3月、特急「スーパーひたち」特急「フレッシュひたち」はE657系に統一(予定)。
2013年(平成25)年3月のダイヤ改正を以って、
特急「スーパーひたち」と特急「フレッシュひたち」の両列車はE657系に統一されます。
これと同時に早朝と深夜に特急「フレッシュひたち」が増発されることや、
夜の下り特急「スーパーひたち」は土浦駅停車など、利便性が図られる予定です。
651系とE653系は特急「ひたち」系統の特急列車から引退となります。
651系はデビューから約四半世紀、E653系もデビューから16年、
長い間、常磐線での活躍ご苦労さまでした。
両形式とも今後は他の路線の特急列車などに転用されると思いますが、
今後の活躍にも期待しましょう。
ところで、通称「東北縦貫線」の工事が完了し、
東北本線や常磐線が東京駅に乗り入れるようになると、
特急「スーパーひたち」なども東京駅発着になる列車が設定される可能性があります。
かつてキハ81系や485系で運転された特急「ひたち」も、
短い期間ですが一部の上り列車が東京駅まで乗り入れていました。
もしE657系が東京駅に発着するようになるとしたら、
キハ81系・485系以来の出来事となるのですね。
担当:カピの塚