バンダイのガンプラRGシリーズのラインナップに、「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY」に登場する2タイプのRX-78GP01 ガンダム試作1号機が加わりました。今回は、その中から宇宙に上がってからいくつもの活躍を見せてくれた「RX-78GP01Fb フルバーニアン(以下フルバーニアン)」をご紹介しましょう。
●RX-78GP-01Fb ガンダム試作1号機 フルバーニアン (RG)
組み立てに関しては、フレームに外装を取り付けていくといういつものパターンで、非常に簡単です。武器も含めて4~5時間もあれば完成するのではないでしょうか。ゲートの位置もよく考えられているので、一部のアンダーゲートをしっかりと処理すれば、ゲート跡も目立ちません。
また、コアファイターIIから作り始め、Bパーツ、Aパーツと組み立てていったあと、最後に合体させて完成という、遊び心のある組み立てプロセスになっています。今回は目のホイルシールしか貼っていませんが、マーキングシールも、これまでのRGと比べると数を抑えてあるようです。マーキングシールを貼る場合も、無理して全部貼るのではなく、自分で取捨選択をするなど、良いでしょう。気軽に作業するのが一番です。
プロポーションについてはさすがRGというべきか、もともとGP01のガンプラは出来がよいものが揃っていた印象ですが、今回も非常に格好良い仕上がりとなっています。設定画などを見るとやや太めに見えるGP01ですが、今回のRGでは太すぎず細すぎずという絶妙のバランスを保ちつつ、メリハリのある手足を備えている印象です。背中のバーニア・ポッドも大きくて存在感があり、格好良さに一役買ってくれている印象でした。また、足首がキュッと絞られるラインになっていて、これまでのフルバーニアンの印象とは異なる軽快感がありますね。
RG版はこれまで発売されているどのフルバーニアンとも異なるプロポーションとなっています。
このRG フルバーニアンですが、後ろから見ても群を抜いて格好良いMSになっていると思いませんか?
大きめのブースター・ポッドに大きすぎない肩。キュットしぼられ、これまた大きすぎない脚部へと繋がるライン。これらがとてもバランス良く調整されていて、見応えのあるスタイルを演出しています。
RGならではの密度感もかなり際だっていますね。グレーのスミ入れペンなどで軽くディテールを施してやれば、スケール感も十分に出せます。各部分で装甲内側のフレームが顔を覗かせるようなディテールがあるのもいいですね。これのおかげで、スミ入れなしでもメリハリが感じられます。
RGならではのシャープな角、きりっとした顔つきが格好良いですね。
アンテナやセンサーが配された胸部はいかにも試作機といった雰囲気です。
GP01の特徴ともいえる前方に突き出た胸部のラインを見事に昇華していて、実に力強い雰囲気に仕上がっています。
頭部の後ろ側やバックパックのにも細かなディテール表現が施されています。
ブースター・ポッドも内部のフレームが覗けるなど、新解釈のディテールが施されていて間延びしないようになっています。
腰のスカートなどは、内側のフレームが装甲を抜けて顔を出しています。MG νガンダム Ver.KAなどで採用されていた仕組みですね。
足の裏側も精密に再現。1/144スケールとは思えない密度感です。
今回の目玉ギミックの1つが、コアファイターIIの変形合体でしょう。GP01はコアファイターのエンジンをそのままMS時にも利用する機構です。そのため、後半ブロックがバックパックになり、都合、腹部、胸、背中がまるまるコアブロックになるわけです。そんな変形を1/144スケールでしっかりと再現していることにまず驚かされます。しかも、ほとんどスペースのない肩や腹部の可動範囲もしっかり確保されているのが驚きです。
RG GP01では1/144スケール初のコアファイターIIの完全変形と合体を実現しています。
大きなバーニア・ポッドが宇宙機らしくて良いですよね。
完全変形してコア・ブロックになります。バックパックはただ曲がるだけではなく、上方にスライドして固定されるようになっています。これによってバックパックの位置やバーニア・ポッドの位置がMS形態で破綻しないように調整されているのです。
着陸脚は取り外し式。カウンターバーニアの軸線上にスライドのためのつまみが見えます。
コアファイターIIはキャノピーが開閉します。なお、ジャケットを羽織ったリラックスした様子のコウ・ウラキが付属するので、並べて飾るとスケール感が出ます。
今回記事で組み立てたものはテストショットなので、製品版では改善されているかも知れませんが、ややコアファイターと腰の接続が緩いようで、動かしていると外れてしまうことがありました。ガシガシ遊ぶのなら、真鍮線を通すなどして、ジョイント部分を補強しておくと良さそうです。
コアファイターとのジョイント部分に前後可動の関節が設けられています。また腰は左右方向にも傾けることができるようになっております。これにより合体と可動を両立させているわけですね。
武器はビーム・ライフルとシールド、ビームサーベルが付属。劇中で使用していた武器はしっかり用意されています。可動範囲が十分なので、ビームライフルは両手でしっかり構えることができました。地味ながらうれしいところですね。面白いのが、シールドを構えるための専用のハンドパーツが用意されていることでした。これで、シールドを前方に突き出すように構えながら、ライフルやサーベルを使用するポーズが簡単にとれるようになっています。
ビーム・ライフルは、フォアグリップとサイトが可動。マットなグレーで質感も良い感じです。
敵のビーム・サーベルを受け止めることのできるビーム・ジュッテも装着可能。
ビーム・ライフルも劇中同様の雰囲気のまま両手で格好良く構えることができます。
シールドはディテールを押さえてあり、一枚の巨大な装甲であることを印象づけてくれています。
シールドは伸縮可能となっています。
シールドは基本的には従来通りの腕に固定する仕組みですが、今回は専用のシールド保持用のハンドパーツも用意されています。なお、シールド裏にはビーム・ライフルのエネルギーパックを装着できます。
専用の持ち手を使えばこのようにシールドを構えるのも簡単なのです。なお、ビーム・サーベルは従来のRGシリーズ同様、ピン付きのものが用意されているので、可動指のハンドパーツでしっかりと保持できます。
可動範囲も広いので、様々な劇中シーンの再現も思いのままです。このとき、肩のバーニアがせり出してきたり、胸のカウンターバーニアが飛び出してくるギミックが、シーン再現の精度を高めてくれます。今回は、いくつかシーン再現的なポーズを取らせてみました。フルバーニアンは宇宙が主舞台ですから、アクションベース2が欠かせません。
肩もこのようにしっかり上に上がるので、劇中のポーズを簡単に再現できます。
コックピットハッチは、コアファイターのキャノピーごと開閉します。合体ギミックもあるのにこの位置がずれないのが凄い所です。コウ・ウラキも雰囲気ぴったりです。
こんなに小さいのに、肩にある姿勢制御バーニアがせり出す仕組みもしっかりと再現されているのです。
胸のカウンターバーニアもこのようにせり出してきます。
胸の黄色いパーツはふたを取り外せるようになっていて、内側からカウンターバーニアが顔を出します。
股関節は可動範囲を広げるため下方にスライドします。これを利用すると若干足を伸ばせます。足が長いのがお好みならこちらで調整してみても良いかも。
以上、魅力満載の「RG RX-78GP01Fb ガンダム試作1号機 フルバーニアン」のご紹介でした。RG未体験の人はもちろん、「ここのところRGを買ってないな」とか、「GP01はそんなに興味がない」なんて人にもオススメしたいキットです。必ずや、「今のRGはこんなになっているのか」「GP01って意外と格好いいんだね」と言っていただけるに違いありません。
陸戦タイプの「RG 1/144 RX-78GP-01 ガンダム試作1号機 ゼフィランサス」も発売中で、こちらも非常に良くまとまったキットです。フルバーニアンを気に入ったらこちらも作ってみてください。
協力:マスターファイルブログ様