こんにちは、カピの塚です。 このところイベントのレポートの記事が続いていましたので、久々に違う話題といきましょう。 ホビーサーチのブロガーの一人、みししっぴが夏休み中に長崎の写真をたくさん撮ってきてくれたので、鉄道模型の話題と交えてご紹介いたしましょう。 ▲長崎空港に発着する県営バス 長崎県には地域の足と観光客輸送のため長崎県営バスがあります。日本には47の都道府県がありますが、都道府県が鉄道もしくはバスといった陸上交通機関を運営している事例は、東京都と長崎県の2都県だけです。市営バスや町営バスはよく耳にしますが、県営バスを名乗るのは長崎県だけだと思うととてもレアです。 ▲交通会館 県営バスターミナル (長崎駅前ターミナル) JR長崎駅(長崎本線・大村線)のすぐ目の前にあるバスターミナルの建物です。全体的に四角で構成され、各階に窓がずらっと規則正しく並んでいるデザインのビルとなっています。バスターミナルとJR長崎駅の間はタクシープール、駐車場、バス乗り場、片側4車線かつ中央に路面電車の軌道を擁する広い道路があります。ペディストリアンデッキ(歩道橋)によってJR長崎駅、長崎電気軌道の電停、バスターミナルが結ばれているため自動車や路面電車の往来に関係なく行く事ができます。 周囲には商業ビルやビジネスホテルなどが立ち並んでおり、大変賑やかな様子が見受けられます。バスターミナルの背後には山とその上に建つ建物がチラッと見えており、坂が多い街の様子が窺えますね。 ジオラマに取り入れやすそうなアイテムをいくつか。 ●ザ・バスコレクション 長崎駅前ターミナルセット (TOMYTEC) ●商業ビル A (TOMIX) ●商業ビル B (TOMIX) ●商業ビル C (TOMIX) ●建物コレクション 063 昭和のビルC ~ホテル~ (TOMYTEC) ●東横イン (1棟入) (完成品) (GREENMAX) ●東横INN (新ロゴ) (1棟入) (完成品) (GREENMAX) ●情景小物 118 ペディストリアンデッキ (TOMYTEC) ●ジオラマ素材 018 ジオラマプレートE ~ペディストリアンデッキ専用~ (TOMYTEC) ●情景小物 119 大型歩道橋 (TOMYTEC) ●情景小物 045 歩道橋 (TOMYTEC) ●情景小物 045-2 歩道橋2 (TOMYTEC) ●歩道橋 (2ヶ入) (GREENMAX) ●着色済み 歩道橋 クリーム/ライトブルー/ライトグリーン (GREENMAX) ●[みにちゅあーと] なつかしのジオラマシリーズ 歩道橋 (sankei) 歩道橋は延長したり複数合体させる場合は完成品よりもキットのほうが加工の自由度が高いと思います。 路面電車が走る軌道をジオラマやレイアウト上に設置する場合、かつては一般的な線路を敷いたあとにプラ板や厚紙を敷いて道路と一体化させる手法が主流でしたが、現在はKATOからユニトラム、TOMIXからはワイドトラムという軌道そのものをシステム線路化した製品が発売されており、作業がずいぶんと楽になりました。 ▲ターミナルから出てくる県営バス ターミナルとビジネスホテルの間の道路から県営バスが出て来ました。意外に細い道路から大型バスが出入りしていることがわかります。トミーテックのバスコレ走行システムを使って、このような形で大通りにバスが出てくるところを再現するのも面白そうです。 ターミナルのビルのほうに目を向けますと、信号あり、様々な看板あり、宝くじ売り場あり、掲示板あり、エアコンの室外機ありと、様々な要素があります。このようなポイントを踏まえて、トミーテックの「情景小物」、さんけいの「みにちゅあーと ジオラマオプションキット」、こばるの「マイスターシリーズ」などに適合しそうな素材は無いか考えるのもまた面白いですね。 ●DioTown 信号・方向板 (KATO) ●着色済み 道路信号機 (ブラウン) (組み立てキット) (GREENMAX) ●道路信号機 (津川洋行) ●情景小物 067 屋上看板 (TOMYTEC) ●情景小物 058-2 野立て看板 2 (TOMYTEC) ●立て看板セット (5種類18個入) (Kobaru) ●看板用シール (5サイズ、14種類、193枚入り) (Kobaru) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット 野立て看板 A (sankei) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット 野立て看板 B (sankei) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット 屋上看板 A (sankei) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット くじ売り場 (sankei) ▲長崎電気軌道 思案橋 停留所 長崎市内の路面電車は市営ではなく私鉄の長崎電気軌道によって運営されています。思案橋は長崎市の歓楽街で、かつてこの先にあった遊郭に行くか行かないか思案したことに由来するそうです。なお、思案橋という橋そのものは水路が暗渠化されたために現存しないそうですが、欄干は復元されたとのことなので歴史的な痕跡を振り返る目印になりそうです。 ▲同じく長崎電気軌道 思案橋 停留所 思案橋停留所はかつては終始点の駅だったそうで、その痕跡を探してみるのも面白そうです。 停留所は道路の中央にありますが、自動車の車線の数が両脇で異なっているのは興味深いです。雑居ビルなどがずらっと立ち並んでいる一方、背景には山とその上に建つ建物の姿がチラッと見えているところはやはり長崎らしさを垣間見るポイントかなと思います。 Nゲージサイズの路面電車停留所をチェックしておきましょう。 ●UNITRACK/UNITRAM 路面電車用プラットホームセット (左/右・各1入) (KATO) ●UNITRAM(ユニトラム) 新形電停 (1組入) (KATO) ●路面電車停留所 (組み立てキット) (GREENMAX) ▲バス通りの点描 バスが走る風景を撮ってもらいましたが、坂道にあるバスの停留所の様子です。ちょうど長崎バスが到着しています。写真右から左にかけて下り坂になっている場所で、長崎バスも手前の駐車場も坂に合わせて傾いております。停留所の屋根は雨水を受ける都合上、当然水平に設置されているわけですから、斜めのものと水平のものが混在しているために、ただボーっと見ていると平衡感覚がおかしくなりそうな写真となっております。坂道にある停留所を再現したジオラマやレイアウトを作るときは、バス停の屋根が水平になるよう柱の長さに気をつけたいものです。 背景の住宅は山肌に沿って段々に建てられております。平地が少ない丘陵地でよく見られるものです。鉄道模型の世界においてはベースボードの大きさが限られているモジュールレイアウトを作成する場合に、手前から奥に向かって土地を段々状にして、線路や道路、建物、山を配置していくと、小さなスペースを有効利用し、かつ受け手に対して立体的に見せることができます。この手法を取り入れたモジュールレイアウトは様々な作品に取り入れられていいますので、このような実際の風景の写真を日頃から資料として持っておくと便利です。 起伏に富んだ地形をレイアウトやジオラマ上で再現するなら、丈夫で軽くて加工が簡単なスタイロフォームがおすすめです。 ●SF-06 模型用 スタイロフォーム 細目 (300×600×30mm) (Morin) ●SF-13 模型用 スタイロフォーム 普通目 横長 (300×600×50mm) (Morin) ※他にもサイズや硬さの違いでいくつか種類があります。 街中、公園、校庭など、数本単位の樹木を設置する場合は何本分か入った完成品を用意するだけで十分かと思いますが、森や林など群生する樹木を再現するとなると完成品では割高になる恐れがありますので、大量に樹木が作成できるキットを使ってまとめて作ったほうが安上がりでしょう。 ●樹木キット 広葉樹 (小) (36本入) (KATO&WOODLAND SCENICS) ●樹木キット 広葉樹 (中) (14本入) (KATO&WOODLAND SCENICS) ●樹木キット 針葉樹 (小) (42本入) (KATO&WOODLAND SCENICS) ●樹木キット 針葉樹 (中) (24本入) (KATO&WOODLAND SCENICS) また遠くのほうの樹木や低木はライケンで済ませるという方法もります。ライケンとは海草を乾燥させて着色したものです。 ●ライケン 明緑色 (KATO&WOODLAND SCENICS) ●ライケン 緑色 (KATO&WOODLAND SCENICS) ●ライケン (グリーン) (TOMIX) ●ライケン (ライトグリーン) (TOMIX) ●ライケン (ブラウンミックス) (TOMIX) ▲同じバス停を別の角度から 路線バスが通る交通量の多い道路では、バス停の部分だけ道路を広げてバスを停車させるための待避スペースを設けていることが多々あります。この停留所もその一例で、上下線ともバス用のスペースが用意されています。しかし、バスを待つ人が多い側だけベンチや屋根が設置されているなんてこともよくありますから、人の動きを始めとする生活感やストーリー性をジオラマやレイアウトに取り入れる場合に参考になりますね。 Nゲージサイズのバス停なんですが、各メーカーから様々なアイテムが製品化されていますので、様々なバス停を再現することができます。 ●DioTown バス停 (KATO) ●情景小物 007-4 バス停A4 (都市型) (TOMYTEC) ●情景小物 008-4 バス停B4 (田舎型) (TOMYTEC) ●情景小物 122 バス停C (近代型) (TOMYTEC) ●道路標識・バス停 (津川洋行) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット バス停A (sankei) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット バス停B (sankei) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット バス停C (sankei) ●ベンチセット (ベンチとバス停) (Kobaru) ●路面標示 (7) (バス停セット) (Kobaru) それにしても、この道路は下り坂で緩やかなカーブを描いていますが、その先の街並みや山を見ると改めて起伏に富んだ地形であることがよくわかりますね。 ▲長崎県営バス S153号車 長崎県営バスの路線車が走る風景。写真に写っているS153号車は長崎県営バス路線車の主力車種のひとつであるいすゞエルガノンステップバスで、2015年12月にトミーテックより発売された全国バスコレクション JB030 長崎県営バスと同型車の番号違いかと思います。 ▲長崎県営バス S153号車の前を行くのは 0E11~0E14号車? 先ほどのS153号車の後追いの写真ですが、その前方に三菱ふそうエアロスターのツーステップバスが先行しています。ちょっと気になったので三菱、前後扉、ツーステップ、逆T字窓…の形態で調べたところ、1998年に導入された0E11~0E14号車の4台が該当するようで、ハイバックシートを装備した高出力型の長距離路線用のバスなんだそうです。さらに調べたところ2年後の2000年にも同じ目的で導入されたと考えられるバスがおり、メトロ窓だったり屋根が白塗りになるなど微妙に仕様が異なっています。 ▲長崎の街並み 起伏に富んだ長崎の街並みの写真です。先述した通り、少ない平地にたくさんの建物がぎっしり、そして斜面も整地して段々に住宅を建てているという様子がわかりますね。極端な話を言えば、起伏ある地形の関係で手前の一戸建ても、奥のほうのマンション群の上層階と結果的には同じくらいの目線の高さになりそうです。 ▲長崎の街並み これは墓地からの撮影です。長崎などの一部の県では墓石に彫られた名前は金色に塗るそうです。また、どの家のお墓も広めに作られているそうなんですが、かつては墓参りをしたら墓石の前で親族みんなで宴会をする風習があったからだとか。日本各地に様々な文化風習がありますが、長崎の場合は古くから外国との交流が盛んだった地であるため、大陸の文化、特に中国の文化に影響を受けている面が大きいようです。 ▲長崎の街並み 季節柄お墓の写真が続きますが、住宅と同様にお墓も山の上までびっしり段々に作られているのも長崎の特徴の一つかと思います。 ちなみにNゲージサイズの墓石、あります。 ●情景小物 022 お墓A ~現代風~ (TOMYTEC) ●情景小物 023 お墓B ~公園墓地風~ (TOMYTEC) ●情景小物 024 お墓C ~江戸時代風~ (TOMYTEC) ●[みにちゅあーと] ジオラマオプションキット 墓石A (sankei) ▲島原・鯉の泳ぐまち さて、こちらは島原の様子です。島原は湧き水が豊富なため、水の都とも呼ばれているんだそうです。このように町内の水路には鯉が泳いでいる様子を見ることが出来ます。 ▲島原・鯉の泳ぐまち (拡大) 近づいた写真を見ての通り、透き通った大変綺麗な水です。島原の風景をジオラマやレイアウトに組み込むのであれば、水路、透明感のある綺麗な水、鯉があることが大きなポイントになることでしょう。 水表現素材をいくつかご紹介しておきます。 ●水性グレインペイント 【アクアシリーズ】単品[3] クリア (40ml) (1本) (ターナー色彩) ●モデリング・ウォーター MW-01 (光栄堂) ●水の素・プロ (透明) (津川洋行) ※品切中 ●リアリスティック・ウォーター (KATO&WOODLAND SCENICS) ●ウォーター・エフェクト (KATO&WOODLAND SCENICS) ▲島原・ゆるキャラ「しまばらん」 こちらは島原市のゆるキャラで島原守護神の「しまばらん」というそうです。暑さに弱くすぐに喉が乾いてしまうため、腰にぶら下げたひょうたんを使って市内の湧き水を飲んでいるんだとか。 どこかで見覚えのあるタッチの絵だなと感じたあなたは鋭い。しまばらんをデザインしたのは島原市出身で漫画「妖怪ウォッチ」の小西紀行先生なのです。 最後に、島原関係のNスケールモデルをいくつか。 ●鉄道コレクション 第19弾 (TOMYTEC) ※品切 ●鉄道コレクション 第22弾 (TOMYTEC) ●鉄道コレクション 島原鉄道 キハ2500形 (標準塗装・復刻塗装) (2両セット) (TOMYTEC) ●全国バスコレクション [JB036] 島原鉄道 (TOMYTEC) 撮影:みししっぴ 担当:カピの塚 ★どこか行ってきた系記事のリンク★ ●火の国へ (2009/10/01) ●THE 定点観測。 (2010/02/04) ●石ノ森章太郎ゆかりの地を巡る旅? (2010/02/18) ●新三郷鉄道フェアに行ってきました【前編】 (2010/09/10) ●新三郷鉄道フェアに行ってきました【後編】 (2010/09/30) ●火の国へ PART-II (2011/01/06) ●町おこしで活躍の鉄道むすめ! ~ 東武ファンフェスタに行ってきました (2011/01/17) ●ぶらり銀座線の小さな旅の車窓から ~01系KATO製品化発表記念~ (2011/06/09) ●ぶらり羽田線の小さな旅の車窓から ~ フジミ東京モノレール緊急再生産記念 (2011/09/22) ●羊蹄丸とスハフ4425とDE1030を訪ねて~羊蹄丸展示終了に寄せて (2011/09/29) ●駅舎探訪 両国編 (2011/10/27) ●E655系「和」のお召し列車を見てきました。 (2012/10/11) ●とあるモノレールに乗ってきました。 (2013/02/21) ●手持ちの写真で振り返る ~ 2005年の秩父鉄道広瀬川原車両基地公開イベント (2014/03/06)