ゲテモノ対空要塞

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Plastic Model
Tomeko
ゲテモノ対空要塞
This article has been written in Japanese.
We apologize for your inconvenience, and your for your understanding.

小学校1年の時、「乗ってみたい理想の車」を絵に描いてみましょう。
と、いう授業がありました。

そこで私が描いたのは城塞同然の車体にバカでかい覆帯、それにウニよろしく大量の大砲や機関銃をくっつけたバランスの悪い戦車(らしき物体)でした。
更に車体の天辺には「せかいせいふく」と書いた旗が立ってたりして。

……もし過去に戻れるなら、当時の自分を諭してやりたいものです。

そんなわけで冒頭から黒歴史垂れ流しのトメ子でした、ごきげんよう。
まぁ、私も大人になりましたから。世界征服なんて寝惚けたことは申しません。
ですが武器がゴテゴテくっついている要塞には今でもトキメキを感じずにいられません。

そんな乙女浪漫と共に本日はこちらを紹介。

ドイツ防空要塞フラックタワー
でかいぞ、つよいぞ

日本語では「高射砲塔」と言うのでしょうか。キットは1/700スケールなので、艦船系のプラモと相性が良さそうですけれど、フラックタワー自体は地上建造物だったりします……。

さて。この刑務所ちっくなイカツイ建物は何かと申しますと。
そもそもは第二次世界大戦中、連合国の空襲に対抗すべくドイツの大都市に作られた防空要塞だそうです。

大都市というのは空襲に晒されやすく、戦略爆撃からの都市防衛は各国の至上命題でした。
ですがドイツの場合は地理的条件故か、都市周辺の地面に直接高射砲を設置しても十分な射界が取れないという難点があり、都市全域をカバーするにはあちこちに陣地を作って大量の対空兵器を設置しなければいけないけれど、現実的に難しい……という問題に直面してしまいます。

そこで、でっかい建物を作ってその上に高射砲を乗せれば広い射界が取れるんじゃね?……という安直…もとい斬新な考えから生まれたのがこのフラックタワーです。

フラック(Flak)の名が示すように、屋上部には88ミリ高射砲や対空機関砲の類がざくざく搭載されています。そして内部はシェルターとして活用できる上、発電機や貯水槽を設けて篭城戦にも対応できるという、ある種の巨大要塞でした。

ところがいざ作ってみたはいいものの、実際には連合軍の飛行機があまりに多すぎて大した戦果も上げられなかったそうです。

そもそも十分な戦果があれば、こんなところで紹介せずともとっくに有名になってそうですけど。


問題は終戦後です。
このフラックタワーはタテ、ヨコ、高さが数十メートルに及びます。それだけならちょっと大きい建築物扱いで済むのですが、問題はその耐久性でした。

武装こそ撤去されたものの、鉄筋コンクリート製の建物本体はすこぶる頑丈であり(大型爆弾の直撃にも耐えられるよう、コンクリートの厚さは数メートルにも及ぶそうです)、壊そうにも却ってお金がかかる為、現代に至るまで中々手がつけられないシロモノと化してしまっているそうです。

第二次世界大戦が終わってかれこれ60年以上経っているというのに、解体に手こずるというのも凄い話ですね。
再利用の話も無いわけではありませんが、大規模な改装が必要なことも多く、かなりのフラックタワーが放置され廃墟化しているそうです。
一方で戦争に対する教訓として敢えて残されている、という面もあるみたいですが。

そんなわけで世の中には案外バカ兵器…浪漫兵器の類が存在したりしますけれど、今日はそのうちの一つ、フラックタワーの紹介でした。
文章だらけで画像が少なく恐縮ですが、興味のある方は「Flak Tower」などで検索するとちょっとだけ幸せになれるかもしれません。英語版ウィキペディアなどオススメです。

それでは皆様、よい週末をお過ごし下さい。
私は明日も出社です。/(^o^)\

担当:トメ子@胡散臭い兵器に心ときめきます。
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