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こんにちは、カピの塚です。
先日、映画「ちはやふる~上の句~」を観てきました。この作品、漫画・アニメとも触れたことが無く、今回の実写映画が初見だったので話についていけるか不安でしたが、競技かるたに打ち込む主人公の姿、幼馴染との約束や葛藤など、立ち上げたばかりの部活動で少しずつ深まっていく絆など、笑いあり涙あり大変楽しめる作品でした。4月下旬には続編となる「ちはやふる~下の句~」が公開予定だそうで、早くも続きが楽しみです。
「ちはやふる」は東京の府中市が舞台で、この映画の中には京王線やJR南武線が出てきます。広瀬すずさん扮する綾瀬千早が分倍河原あたりの南武線沿いの道を歩いているシーンがありまして、ちょうど横を205系電車が通過するんですよねぇ……で、思い出したことがあります。
●KATO (N) E233系 8000番台 南武線 (6両セット)
●KATO (N) 205系 南武線 シングルアームパンタグラフ (6両セット)
今月はKATOからJR南武線のE233系と205系のセットが発売になりました。これが本題です。
JR南武線は神奈川県川崎市の川崎駅と東京都立川市の立川駅を結ぶ通勤路線で、本線のほかに支線が2本あります。川崎駅、尻手駅、武蔵小杉駅、武蔵溝ノ口駅、登戸駅、稲田堤駅、府中本町駅、分倍河原駅、立川駅が他線との乗換駅となっており、JRのほか京急電鉄、東急電鉄、小田急電鉄、京王電鉄、多摩モノレールとの乗り換えができます。
もともとは浅野セメント系の私鉄の「南武鉄道」として開業しました。1930年代、沿線に電機メーカーの工場の進出が始まった他、軍需工場や軍事施設が徐々に増えていき、通勤客で賑わい始めます。1944年、南武鉄道は貨物列車で重要物資を運んでいること、国有鉄道の中央線と東海道線を短絡するルートの有利性など、軍事上重要な路線とみなされ国有化が決まり、国鉄南武線となりました。先述の通り私鉄との乗り換え駅が多いことから戦後は沿線の都市化が進み、国鉄南武線の利用者もさらに増加。線路の複線化や電車の大型化など増強が進められていきました。1987年に国鉄が分割民営化され、南武線はJR東日本に継承されました。
国鉄時代は他線で活躍した電車(101系や103系)が配属されていましたが、JR化後の1980年代末から1990年代に205系や209系といった新型車が導入されるようになりました。2014年からはE233系8000番台が導入され、中央線や京浜東北線などと同じくE233系が活躍する路線の仲間入りを果たしています。2008年よりJR東日本では山手線の外側で環状路線を形成する南武線、武蔵野線、京葉線、横浜線の4路線を「東京メガループ」という重点路線のネットワークとして設定しており、サービスの向上を進めています。新型車の導入もその一つですが、南武線で大きなニュースといえば2011年から復活した快速電車でしょう。国鉄時代にも快速電車が運転されていた頃がありましたが、約32年ぶりの復活ということで話題になりました。
余談ですが、南武鉄道を建設・運営していた法人としての南武鉄道は鉄道路線の国有化に伴って鉄道事業から撤退し、沿線の不動産を管理する会社になりました。アサノ不動産を経て現在も太平洋不動産として現存しています。
E233系はJR東日本の主力の通勤電車の形式で、JRグループの中でも最大の在籍数になっています。南武線に配属されたのは8000番台で、E233系としては最終グループとなります。南武線用のE233系は先代の205系・209系と同じく車体のラインカラーが黄色・オレンジ色・茶色の3色になっています。これは国鉄時代からJR初期にかけて南武線で活躍した歴代の電車に使われていた車体色を集めたもので、長い歴史を最新型の電車にも受け継ぐデザインとなっています。また、先頭車には南武線や沿線をイメージしたロゴマークが配置されいるのも特徴です。模型は中原電車区所属のN9編成をプロトタイプとし、ラインカラーやロゴマークなどの特徴を含め、細部まで再現されております。
205系は首都圏および関西の通勤路線で活躍の通勤電車です。JR東日本管内では山手線や埼京線など様々な路線に導入されましたが、南武線には新車で直接導入されたグループと、山手線から転属してきたグループが在籍してきました。KATOではこれまでに何度か南武線の205系を製品化してきましたが、今回は1996年に山手線から転属してきたナハ39編成をプロトタイプとしています。元山手線の車両は乗降扉の窓が小さいこと、乗務員室扉のすぐ後ろに屋根に上がるためのステップが付いていることなどが特徴です。この編成は205系オリジナルデザインの顔を持つ先頭車が連結され、中間車のパンタグラフは2011年にシングルアームタイプに換装されました。また、南武線の205系のうち原型先頭車が連結されている編成としては最後まで残った編成です。
ちなみに、冒頭で申し上げた「ちはやふる~上の句~」で綾瀬千早の隣を通過していく205系はこの形態の編成です。同じ編成番号かどうかはわかりませんが、映画の撮影が行われていた頃はE233系の導入が始まり205系も徐々に少なくなっていった最中かと思います。E233系ではなく205系が映画に出てきたのは、たまたまなのか、時代設定の都合なのか、どちらかわかりませんが、ジェイアール東日本企画が携わっている作品なのでもしかすると205系の引退の花道を飾るような意図があったのかななんて思ってしまいます。
それでは、最後に南武線関連商品のご案内です。
一部、予約締切商品や売切商品もございますが、ご参考までに。
TOMIXからもE233系が発売されています。(現在品切中)
●TOMIX (N)
JR E233-8000系 通勤電車 (南武線) (6両セット)
京浜東北線に続いての導入となった209系はTOMIXから製品化。(再生産予定)
●TOMIX (N)
JR 209-0系 通勤電車 (南武線) (6両セット)
改造先頭車を含む205系6両編成。(現在品切中)
●KATO (N)
205系 1200番台 南武線 シングルアームパンタグラフ (6両セット)
1990年代の南武線の再現に。
●TOMIX (N)
国鉄 103系 通勤電車 (高運転台ATC車・カナリア) (基本・4両セット)
●TOMIX (N)
国鉄 103系 通勤電車 (ユニットサッシ・カナリア) (増結・3両セット)
※サハ103が1両余ります。
103系の導入が始まった1980年代の再現用に、改造素材としていかがでしょう。
●KATO (N)
KOKUDEN #004 通勤電車 103系 (カナリア) (3両セット)
●KATO (N)
KOKUDEN #002 通勤電車 103系 (オレンジ) (3両セット)
※残りの中間車は各自工夫で…。
それではまた。
担当:カピの塚