魅惑の素材★サブテレイン

鉄道模型
カピの塚
魅惑の素材★サブテレイン
こんにちは、カピの塚です。

レイアウト(またはジオラマ)を製作するにあたり、勾配線(坂道)を作るときはみなさんどうされておりますでしょうか。一般的な高架線ならば、その線路を発売しているメーカー純正の橋脚を使って順にレベルを高くしていけば良いですね。しかし、日本全国、いや全世界の勾配線が全て高架橋によって成り立っているわけではありません。

盛土方式になっている勾配線は完成品があるわけでもないので、手作りでなんとかするしかありません。一定の角度で徐々にレベルを上げていくためには、しっかりとした素材で土台を作り、かつ緻密に作っていかねばなりません。発泡スチロールや木片を切り刻んで土台にするとしても、例えば5mmずつの差を持った支柱を一個ずつ、目的の高さになるまで順に作っていくのは、意外と面倒です。

そこで今回は、アメリカのウッドランド・シーニックス社製のサブテレインをご紹介しましょう。

★インクライン・スターター(勾配線路台)
【サブテレイン】 インクライン・スターター(勾配線路台)
【サブテレイン】 インクライン・スターター(勾配線路台): 3%勾配インクライン (6本入り)
【サブテレイン】 インクライン・スターター(勾配線路台): 4%勾配インクライン (4本入り)

ジグザグ状にカットされた白い物体、これがサブテレインです。

サブテレインというシリーズですが、『テレイン』(terrain)は地形、『サブ』(sub)はその下という意味の造語で、要するに地形の下部分を作るための素材というわけです。サブテレインで土台を確定したら、お馴染みのレイアウト用品を用いて肉付けをして、線路を敷き、バラストを撒いて…という手順で完成させます。

サブテレインの「インクライン・スターター」は勾配線路台を作る素材で、写真の通り端から反対側の端に行くにつれて徐々に高くなっています。左右に自由に曲げることができますので、カーブ区間にも対応可能です。3%と4%の勾配で2種類の商品があります。

★インクライン・ライザー(水平線路台)
【サブテレイン】 インクライン・ライザー(水平線路台)
【サブテレイン】 ライザー(水平線路台): 1/2インチライザー (4本入り)
【サブテレイン】 ライザー(水平線路台): 3/4インチライザー (4本入り)
【サブテレイン】 ライザー(水平線路台): 1インチライザー (4本入り)
【サブテレイン】 ライザー(水平線路台): 2インチライザー (4本入り)

「インクライン・ライザー」は水平を保つための土台キットです。スターターで坂を上ったら、そのあとは水平に…という組み合わせ方をします。こちらもジグザグ状の白い物体となっており、直線にも曲線にも対応できます。


★インクラインセット(勾配線路台セット)
【サブテレイン】 インクラインセット(勾配線路台セット)
【サブテレイン】 インクラインセット(勾配線路台セット): 3%勾配セット (6組入り)
【サブテレイン】 インクラインセット(勾配線路台セット): 4%勾配セット (6組入り)

「インクラインセット」はインクラインとライザーを組み合わせたような形状の勾配線路台セットです。10cm以上の高さまで勾配を作ることができますので、HOゲージなど大きなスケールのレイアウト(またはジオラマ)にて使えます。


そして、サブテレインを使った工作に活躍するツール類もご紹介しましょう。

【サブテレイン】 釘(仮止め用) (75本入り)
【サブテレイン】 釘(仮止め用) (75本入り)


サブテレインを仮止めするための釘で、T字型をしています。裁縫道具で言うところの待ち針のような感覚で使います。例えば、インクライン1組で勾配が終わらない場合、ライザーを置いてその上にインクラインを載せて勾配を続けますが、こういうときに仮止めが必要ですね。

ホットボンドガン
ホットボンドガン


ピストル形の電気ヒーターです。丸い棒状の接着剤を加熱・液化して接着する方法で、固定作業を行ないます。サブテレインを使った工作作業現場ではよく使われる工具とのことです。なお、こちらの商品はウッドランド・シーニックス社の製品ではございません(都合により仮にKATOと表示しています)。

ホットボンドガンは、DIY店、ホームセンターでもお取扱いされている工具とのことですので、探してみてはいかがでしょうか。


★サブテレインを使って再現できそうな風景

さて、実物の盛土区間というのは日本中に沢山ありますが、丘陵部や山間部に限った話ではなく、都市部でも盛土区間は健在です。東京近郊のJR線の例をいくつか挙げてみましょう。

・JR根岸線の磯子駅~根岸駅間
 緩やかなカーブを描く盛土区間があります。シンプルな盛土区間ですが、カントの付いた緩やかなカーブレール上を走る列車はなかなか美しいものです。また、付近で並走する首都高速湾岸線や、根岸駅近くの電留線(車庫)などを、模型の中にディフォルメすると映えるレイアウトプランになるかもしれません。

・JR武蔵野線の埼玉県内の区間
 武蔵野線は、全線に渡って立体交差となっており高架線のほかに、台地を切通した区間や盛土区間もあります。周辺が田畑になっている盛土区間がありますので、全体を見渡す形で実地観察するには適しているかと思います。

・JR中央線の市ヶ谷駅~四ッ谷駅間、常磐線の松戸駅~金町駅間
 中央線の市ヶ谷駅と四ッ谷駅の間では、各駅停車(複線)が盛土によってレベルアップし、快速線(複線)を越えるとまたすぐにレベルダウンをして再び同じレベルで並ぶ、という立体交差があります。同様の事例は、常磐線の松戸駅~金町駅間にもあります。このような国鉄時代に建設された複々線区間における緩行線と快速線の立体交差は模型でも迫力あるシーンができるのではないでしょうか。


他にも、大きな河川を渡る鉄橋の手前にインクラインをカーブさせて上り坂を作るとか、東海道新幹線のようにライザーで長大な直線の盛土区間を作るとか…。例を挙げたらきりがなさそうですので、ここまでにしておきます。


サブテレインは鉄道模型の素材としてご紹介はしましたが、鉄道模型以外のジャンルのジオラマにも十分使えると思います。例えば、ライザーは高速道路や国道などの本線部分の土台、インクラインは料金所につながるループ部分の土台など。当然スケールに合わせて複数を組み合わせないと幅や高さが確保できませんが、アイディア次第で応用はいくらでもできるのではないでしょうか。


というわけで、これから夏休みのイベントや秋の文化祭などでレイアウトを製作して出展する予定がある方、ご自宅でちょっと手の込んだ勾配区間を簡単に作ってみたい方、サブテレインを試してみてはいかがでしょうか。


担当:カピの塚@簡単に岩を再現できる石膏とゴム型各種もご予約受付中!
ユーザー評価
ユーザー評価
この記事の評価は3.16です。
現在19名がこの記事を評価しています。  
カピの塚 の関連記事
プラレールが進化する。プラレールアドバンス登場! (東京おもちゃショー2011レポート)
KATO 12月発売予定 Assyパーツのご案内
第11回国際鉄道模型コンベンション 【速報編その1】
最近予約開始となったNゲージ車両のご案内 (MICRO ACE&バンダイ+α)