こんにちは、カピの塚です。
12月になりましてNゲージ各社から新製品の発表がありましたので、
ここでまとめてご紹介いたします。
TOMIX(トミックス)
★455系三題
455系はもともと国鉄の急行型電車です。
新幹線の延伸や輸送体系の変化などにより、
急行列車の整理縮小や廃止に伴って、次第に快速や普通などの一般列車に使われるようになりました。
国鉄が民営化されるとJR各社では地域や路線に合わせて車体色を塗り替えたため、趣が変わりました。
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< 92485 > JR 455系 電車 (磐越西線) (3両セット)
455系のうち、主に磐越西線用に使われた編成は1996年より赤を主体とした塗装になりました。
3両編成をまたいで側面に大きく白い山の絵をあしらったもので、
白い山は磐梯山を表し、「BAN-ETSU LINE 455」というロゴが入りました。
模型は2000年頃の姿を再現するもので、台車、床下の色は黒仕様となります。
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< 98905 > 【限定品】 JR 455系 電車 (クロハ455形磐越西線・ロゴ無) (3両セット)
磐越西線の455系のうちS40編成には、
他の車両とは異なる仕様のクロハ455-1が連結されていました。
もともと快速「ばんだい」用に連結する半室グリーン車として、
一部の席をリクライニングシートに交換したものです。
グリーン席となった部分は固定窓に改造されたのが外観上の大きな特徴です。
さらに、特急「ビバあいづ」のグリーン車の位置の都合で方向転換を行っています。
模型は、「ロゴ無し」を再現した限定品です。
これは、1999年から2005年の約6年間を再現したもので、
磐越西線用の塗装になっていたものの東北本線がメインの運用だったため、
「BAN-ETSU LINE 455」のロゴがありませんでした。
その他、グリーン車としての運用がありませんでしたので、
グリーンマークの表示もありません。
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< 98906 > 【限定品】 JR 455系 電車 (仙山線) (3両セット)
磐越西線用の塗り分けをそのままに、青基調に改めたのが仙山線色です。
白い山を表現した図柄は、蔵王連峰をイメージしたものです。
仙山線のほか、東北本線の仙台駅周辺で活躍しました。
模型は、中間車に「SENZAN LINE」のロゴが入っていた2000年頃を再現します。
★好評の旧型国電シリーズ
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< 92484 > 国鉄 72・73形 通勤電車 (御殿場線) (4両セット)
旧型国電の72・73形は、両数が多いこともさることながら、
製造年次の違いによる仕様の違い、
転属先の事情に合わせた改造・改修および塗装変更などのため、
1両たりとも同じ形態が存在しないと言っても過言ではないほど、
多種多様な形態が存在していました。
TOMIXの好評の72・73形シリーズ、待望の新作は御殿場線仕様です。
今回模型化される編成から特色のある車両をご紹介すると、
中間車のサハ78形は御殿場線用にトイレ取り付け改造が行われた車両で、
模型でも床下に水タンクが取り付け済み。トイレ流し管も付属します。
片側の先頭車クハ79形300番台は、ヘッドライトがおでこに埋め込まれた仕様。
中間車のモハ72形はドアの窓がHゴム仕様となります。
いずれも、他社のキットから作るにしても、多少の改造が必要なポイントです。
とにかく、個性だらけの旧型国電がこうして完成品として発売されるというのは、
旧型国電ファンには朗報といえるでしょう。
模型は御殿場線の列車として楽しむだけでなく、
編成をバラしてお手持ちの旧型国電と連結させるなどして、
他の路線を表現する遊び方もできそうです。
KATO(カトー)
★いよいよ来年デビュー、秋田新幹線新型車
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< 10-1136 > E6系 秋田新幹線 「スーパーこまち」 (基本・3両セット)
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< 10-1137 > E6系 秋田新幹線 「スーパーこまち」 (増結・4両セット)
秋田新幹線の新型車両、E6系が早くもNゲージ化されます。
E5系「はやぶさ」と併結運転によって秋田方面への時間短縮が目的です。
列車名は「スーパーこまち」となったのですが、
従来の「こまち」より速いイメージを打ち出しています。
E5系同様の細長い流線型なのが特徴ですが、
新在直通車両ですので車体は在来線サイズ、
カラーリングも赤を基調としたものになります。
実車のデビューも楽しみですね。
★特急のスピードアップを実現した381系
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< 10-1112 > 381系100番台 「くろしお」 (基本・6両セット)
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< 10-1113 > 381系100番台 「くろしお」 (増結・3両セット)
紀伊半島方面では特にお馴染みの特急電車381系です。
カーブ区間ではどうしても減速しなければならないのが常識だったところ、
「振り子式」という、カーブ区間で車体を内側に傾かせる機構を装備したことにより、
制限速度+25km/hというスピードでカーブ区間を走行できるようになりました。
この結果、381系を導入した特急列車は在来車よりも時間短縮が可能となり、
大幅に利便性が増したとともに、今後登場する振り子式特急車両の礎となりました。
これまでに381系は
レジェンドコレクションとして長野方面の特急「しなの」仕様が、
模型化・発売されておりますが、今回はそのバリエーションとなり、
先頭車が非貫通式となった100番台を含む特急「くろしお」が再現されます。
時代設定は、JR化後の1989年頃となります。
JRマーク有り、JNRマーク無し、という典型的なJRの姿となります。
また、「しなの」のセットとは異なる中間車サロ381・モハ380のボディも新規作成とのことです。
★関門トンネルをエスコート
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< 3073 > EF30
関門トンネルは海底トンネルですので長い勾配があります。
当然のことながら、そのような区間でも客車・貨物列車を問題無く牽引できる能力を持つ機関車が必要です。
当初はEF10形が用いられていましたが、九州側の門司駅が交流電化されることに伴い、
直流専用機のEF10形が使えなくなってしまうため、交直両用のEF30形が導入されました。
ED60形に似たデザインですが、防錆対策でステンレス車体となったため、
外観上は大きくイメージが変わりました。
実用一点張りのデザインではありますが、
多くを語らない仕事人のような風貌がありますね。
関門トンネルを行き交う客車列車・貨物列車の牽引を担当したので、
花形のブルートレインから重連で貨物列車牽引まで、
地味ながらも大活躍した機関車であります。
★東京と九州を結ぶ伝統の特急列車、20系客車時代
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< 10-1141 > 20系 寝台特急「さくら」 長崎編成 (8両セット)
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< 10-1142 > 20系 寝台特急「さくら」 佐世保編成 (8両セット)
20系客車は「動くホテル」とも言われたいわゆるブルートレインの元祖。
この20系客車による様々な寝台特急で日本中を移動した方も多数いらっしゃると思います。
KATOでは昔から20系客車を定番のシリーズとして模型化してきておりますが、
今回は寝台特急「さくら」を再現するセットとして再び登場いたします。
「さくら」は戦前からの伝統ある国鉄特急の名称で、
当然のことながら東京と九州を結ぶ花形列車の一つ。
1959年から1972年の間は20系客車が使われていました。
模型は1968年10月の所謂「ヨンサントオ改正」の直前を再現したものです。
編成は途中の長崎本線の肥前山口駅にて、
長崎行きと佐世保行きに分割されて終点を目指していました。
長崎編成のセットには寝台化改造車のナハネフ21が加わります。
そして、電源車のカニ22はパンタグラフと電動発電機が撤去された後の姿です。
一方、佐世保編成のセットにはなんと、簡易電源車のマヤ20が入ります。
プロトタイプはオハシ30から改造された車両ですが、
これまでプラ完成品としてはおそらく発売されたことのない形式ですので注目です。
牽引機は別売りとなります。
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EF65-500 (P形) (特急色) (東京~下関)
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EF30 (下関~門司)
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ED73 1000番台 (門司~鳥栖)
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DD51 後期 暖地形 (鳥栖~長崎、佐世保編成/肥前山口~早岐)
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C11 (佐世保編成/早岐~佐世保)
この様に、一つの列車を様々な機関車がリレーしておりますので、
お好みでお買い求めください。
★現代の日本の貨物列車の代表といえば
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< 10-1167 > タキ1000 日本石油輸送色 ENEOS (エコレールマーク付) (8両セット) B
かつてのヤード式貨物輸送が盛んだった時代は、
積荷(用途)に合わせた貨車が沢山作られ、
様々な貨車がそれぞれの行先を持って貨物列車を編成していました。
しかし、1984年にヤード式貨物輸送が廃止されると、
日本の貨物列車はコンテナ貨物列車が中心となり、
あとは大口荷主による専用貨物列車が残りました。
タンク貨物列車が連なる燃料輸送列車はその一例で、
コンテナ貨物列車と並んで現代の日本の鉄道貨物を象徴しています。
こちらのセットは、タキ1000形8両編成のタンク貨物列車を再現したものです。
過去にも同様のセットが発売され大変好評を博しましたが、
今回は車体に描かれたロゴなどを現在の仕様にアップデートしたものです。
お好みのJR貨物の電気機関車やディーゼル機関車で牽引しお楽しみください。
それでは、また次週。
担当:カピの塚