GMのインレタを眺めていたら「スヤ42 2」という文字列を見つけたわけだが…。

鉄道模型
カピの塚
GMのインレタを眺めていたら「スヤ42 2」という文字列を見つけたわけだが…。

 こんにちは、カピの塚です。今回は非常にマニア向けの話題を綴ろうと思います。

先日、GREENMAX (N) 車輌マーク (白色) 客車・郵便・荷物車他用というインレタを眺めていたら、収録されている形式記号(車両番号)の中に スヤ42 2 という耳慣れない事業用車が含まれていたので、これが何者なのか調べてみました。

スヤ42形とは、国鉄の事業用車(職用車)の一つで、保健車です。国鉄職員の健康診断を行うためにレントゲン室や診察室を設けた車両です。4両が存在し、1号車はマロネ40形を種車に、2~4号車はスハ43形を種車に改造され、1970年代~1980年代に北海道内の駅を巡回する形で運用されていました。今の時代なら、バスまたはトラックをベースにした移動検診車で間に合っていると思いますが、道路事情が悪かったり、自動車の性能が今ほど良くなかった時代は、このように鉄道車両で賄われていたわけです。

つまり、先ほどのGREENMAXのインレタに収録されていた スヤ42 2 とは 保健車スヤ42形2号車 のことです。種車がスハ43形なので意外に簡単に作れそうな気がします。

検索エンジンで「スヤ42-2」「スヤ422」「保健車」などをキーワードに検索すると、実車の写真が見つかります。それを基にして製作のポイントをまとめるとこんな感じです。

GMのスハ43を基にスヤ42 2を作る場合のイメージ(合成画像)

黄色の帯を入れて「保健車」「連結注意」と大きく文字を書き入れればそれっぽくなりそうです。ドアがHゴムタイプのものになっていた点に注意が必要でしょうか。実車写真で反対側の写真を見つけられていないので、そのあたりをどうするか、ですね。

ちなみに、3号車と4号車は客窓がアルミサッシになっていたようです。なお3号車は一方の車端部のドアが塞がれて代わりに業務用扉が設けられている他、いくつかの窓が塞がれているため、模型で作る場合はさらに作業工程が増えそうです。

★材料のご紹介

ここでは、GREENMAX、TOMIX、KATOの製品を材料として想定しています。

(1) GREENMAXの客車キットを題材に作る場合

GREENMAX (N) 国鉄客車 スハ43形 (三等車) (組み立てキット)
種車となるスハ43形客車です。
GREENMAX (N) 台車 TR47 (黒色) (2個入)
スハ43形が履いていた台車です。
GREENMAX (N) ガーランド・T型ベンチレーター (各20個入り)
スハ43形のキットにベンチレーターの部品は入っていますが、より実感的な形状を求めるのであれば別売品をおすすめします。
GREENMAX (N) 車輌マーク (白色) 客車・郵便・荷物車他用
冒頭でご紹介したインレタです。「スハ42 2」のほか「保健車」「連結注意」の文字も収録されています。
TAVASA (N) 客車用Hゴム窓 (Hゴム別体タイプ) (5扉入)
TAVASA (N) 客車用Hゴム窓 (5扉入)
GREENMAXのスハ43形はドア窓が原形ですので、Hゴム窓タイプに交換すると実感的です。こちらのエッチングパーツは上級者向けの改造パーツです。

GREENMAXの客車キットの多くはデッキ以外の内装の部品が用意されていませんので、素組みだと窓からすっからかんの車内が丸見えになります。実物の車内がどうなっていたのか良く分からないのですが、健康診断に用いる個室が並び、残りのスペースが通路と待合室を兼ねているのではないでしょうか。プラ板を適宜切って仕切りを作ればそれっぽい内装を作ることができそうですが、機材など詳細に作りこむ場合はさらに調査研究が必要そうです。あとはカーテンを作って中を見えなくするという方法もありますね。

(2) TOMIXのスハ43形を題材に作る場合

TOMIX (N) 国鉄客車 スハ43形 (青色)
TOMIX (N) 交換用ドアセット (旧客用Hゴム窓・青色・右開き4個・左開き4個)
TOMIX (N) 交換用ドアセット (旧客用Hゴム窓大・青色・右開き4個・左開き4個)
TOMIXのスハ43形などの旧型客車シリーズは、ドア部分が交換できるよう別パーツ化されていますので、別売りの「交換用ドアセット」を用いることで簡単にHゴム窓タイプに変えることができます。あとは、黄色の帯を塗装し、先ほどのインレタを転写すれば外観は簡単に似せられそうです。

もし3号車と4号車の材料とする場合は、客窓がアルミサッシなのでTOMIX (N) 国鉄客車 オハ47形 (アルミサッシ・青色)TOMIX (N) TR47形台車 (新集電システム) (2個入)が適してそうです。

(3) KATOのスハ43形を題材に作る場合

KATO (N) スハ43 ブルー
KATOのスハ43形はドアの窓がHゴム窓になっていますので、あとは黄色い帯の塗装とインレタの転写だけで外観は簡単に似せられそうです。

もし客窓がアルミサッシとなっていた3号車と4号車の材料とする際は、ROUNDHOUSE (N) スハ43系 メイクアップパーツセットを加えて窓ガラスパーツをアルミサッシ表現のものに差し替えるとよいでしょう。


TOMIXとKATOのスハ43形は座席など車内がきっちり再現されていますが、スヤ42 2 とは室内の配置が全く異なることは想像に難くないため、一度室内をまっさらにして作りこむか、カーテンで中を見えなくするか、どちらかの作業をしておいたほうがよいでしょう。

★塗料のご紹介

GREENMAXの未塗装板キットは組み立て後に各自で塗装が必要です。TOMIX、KATO、MICRO ACEの完成品を素材として利用する場合も最低限、黄色の帯の塗装は必要ですし、その他に加工する内容によっては全体的に再塗装が必要となります。ここでは、外装に用いる塗料をご紹介しています。

GREENMAX 鉄道カラースプレー SP-07 青15号 または 鉄道カラー 新 C-07 青15号
車体の基本色となる青色です。
GREENMAX 鉄道カラースプレー SP-12 黄5号 または 鉄道カラー 新 C-12 黄5号
黄色い帯はとりあえず黄5号でいかがでしょうか。
GREENMAX 鉄道カラースプレー SP-35 ダークグレー または 鉄道カラー 新 C-35 ダークグレー
屋根用のダークグレーです。ザラザラした質感がお好みの方は、ジェイズ 鉄道模型車輌色 スエード調塗料スプレー グレーをご利用ください。
GREENMAX 鉄道カラースプレー SP-09 ねずみ色1号 または 鉄道カラー 新 C-09 ねずみ色1号
ベンチレーターや一部の床下機器に。
GREENMAX 鉄道カラースプレー SP-10 黒色 または 鉄道カラー 新 C-10 黒色
床板および床下機器の塗装にご利用ください。
GREENMAX 鉄道カラースプレー SP-44 クリアーコート(半光沢) または 鉄道カラー 新 C-44 クリアーコート(半光沢)
仕上げにクリアーコートで塗装とインレタを保護しましょう。





職用車なので営業運転では使われない客車ですが、Nゲージの運転会やジオラマの駅や車庫の片隅にちょこんと留置しておくだけで、地味ながらも妙に目立つ車両として話のネタになりそうです。特に国鉄末期の北海道ネタで車両を揃えた運転会の脇役にぴったりでしょう。


ここまで書いてきて、私自身は製作に着手していませんが、せっかくまとめたのでいずれチャレンジしようかなと思います。なお、この記事をもとに製作に挑戦される方は各自の自己責任でお願い致します…。

担当:カピの塚




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