って書くとなんだか微妙なカンジがします。ごきげんよう、トメ子です。
一体何のことかと申しますと、コレ↓
・
ドイツ軍 ヤークトパンター w/ツィメリットコーティング 第559重駆逐戦車大隊 ベルギー 1944
ツィメリット。 なんか耳慣れない言葉ですね。ツィンメリットと表記される場合もありますが、要するに第二次世界大戦期における一部ドイツ軍戦車に見られる表面塗装加工のことです。
こんなの。
表面がツルツルではなく、なんだかギザギザしています。
当時のドイツ軍では戦車攻撃用に吸着地雷を使用していました。まず、この吸着地雷とは何ぞや?というところからお話しましょう。
戦車の装甲は鉄で出来ていますから磁石がくっつきます。
それを利用し強力磁石で炸薬をくっつけてゼロ距離で爆発させる、というのが吸着地雷のコンセプトでした。
ところが。
自軍の武器というものは常に自軍のみで使われるとは限りません。
敵の手に渡って使われてしまうケース(※これを「鹵獲」と言います)もありますし、最悪の場合は回収・分析を経て技術そのものが漏れてしまうことも考えられました。
なので戦時中、撤退など何らかの事情で兵器を放棄しなくてはならなくなった場合、殆どの軍では敵の鹵獲を防ぐ為に破壊するという軍規が儲けられています。
……とまぁ、話が逸れましたが。
とりあえず吸着地雷が敵に使われることを懸念したドイツ軍は考えました。
それなら吸着地雷がくっつかないよう、ウチの戦車だけ細工しちゃおうぜ!! そんな発想から、このツィメリット・コーティングは誕生します。
装甲表面に非磁性体の表面塗装加工を施したもの……要するに磁石のくっつかない素材を厚めかつ、ボコボコに塗りつけることで吸着地雷を防げるようにしました、というわけです。
ただ、これには難点がありまして。
まず車体重量が増してしまうこと。そして塗布・乾燥の工程で手間・時間がかかるということ。
そして何より、
連合国側がほとんど吸着地雷を使ってこなかった(!?)ということから、ツィメリット・コーティングは翌年廃止されてしまいます。
私も使い方の詳細までは調べていないのですが、吸着地雷って基本的に歩兵がトコトコ戦車まで近づいて貼り付けるシロモノです。
まるで
猫の首に鈴をつける係みたいですね……('A`;)
そしてマトモに戦車をぶっ壊すなら、歩兵を使う前に対戦車砲なり何なり、ちゃんとした重火器を持ってきたほうが安全です。
吸着地雷というのはドイツ軍が劣勢となり、重火器を調達できなくなってきたが故に生まれた武器なのでしょう。
(※劣勢となった日本軍でも同じことを考えたのか、磁力吸着地雷が開発されていました。)
なので物量豊富な連合国が回収の手間や使用の危険を冒してまで、吸着地雷を使う理由はありません。
かくしてツィメリット・コーティングは、ドイツ軍の自意識過剰&被害妄想(酷)による産物……というのはちょいと言いすぎですが、実用性の薄いモノとして消えていくことになります。
それでも旧ソ連軍などはドイツの吸着地雷をそこそこぶんどって使用していたそうですし、全くの無駄ではなかった、のかもしれません。
さて。このツィメリット・コーティング、モデラーさんの中では相当鬼門の表現らしく、模型解説本でも再現方法について様々な模索が為されています。
が、最近のプラモデルは出来が精巧なのか、予めツィメリットパターンが再現されているモノもそこそこ出回ってきました。(ドラゴン/サイバーホビーさんのキットが最も頻繁に見かけられるでしょうか。本当に精密なキットを出してきますが、海外メーカーなので説明書がやや読みづらいのが難点です……(´・ω・`))
ちなみに本日紹介しているヤークトパンターはキットではなく完成品です。
何を隠そう、最近のホビーサーチではミリタリーキットのみならず、完成品もぽつぽつと扱うようになってきました。
戦車や戦闘機に興味あるけど、プラモを作るのはちょっと……という
私のような方にオススメです。
そんなこんなでハンパに濃ゆいミリタリー話となってしまいましたが、また週末にお会いしましょう。
担当:トメ子@良兵器とゲテモノ、両方本気で作っちゃうドイツ軍が好き