レッドトレイン ~ 各地の普通列車の近代化に貢献した50系客車

鉄道模型
カピの塚
レッドトレイン ~ 各地の普通列車の近代化に貢献した50系客車
こんばんは、カピの塚です。


先月、トミックスより50系客車がリニューアル発売されました。
50系客車とは、国鉄の一般形客車のグループで、
車掌室とトイレのある「オハフ50形」と中間車の「オハ50形」を基本とし、
荷物車の「マニ50形」、荷物郵便車の「スユニ50」形、
北海道専用の「オハフ51形」と「オハ51形」によって構成されています。

トミックスから発売されている50系客車は、下記の3形式です。

●2501 国鉄客車 オハフ50形
2501 国鉄客車 オハフ50形

●2502 国鉄客車 オハ50形
2502 国鉄客車 オハ50形

●2511 国鉄客車 マニ50形 (荷物車/救援車)
2511 国鉄客車 マニ50形 (荷物車/救援車)


ちなみに、スユニ50はクロスポイント(グリーンマックスストア)やペアーハンズからキットが発売されています。
北海道用の51形はマイクロエースから車両セットが発売されています。

新製品と旧製品との比較

具体的にどのようなリニューアルだったのか、旧製品と新製品を見比べてみましょう。

オハ50(旧製品)
▲品番:2529 オハ50形 (旧製品)

オハ50(新製品)
▲品番:2502 オハ50形 (新製品)

外見上で目立つリニューアル箇所を囲っています。

(1) 屋根(緑色の線で囲った場所)

旧製品ではベンチレーターは屋根と一体成形となっており、ぼてーっとした印象でした。
新製品では別パーツ化されましたので、モールドが細かくなりクッキリしました。

(2) 妻面の窓(白色の線で囲った場所)

妻面(連結面)の客窓にご注目。
旧製品はボディに窓サッシがモールドされていた上、ボディと同じ赤でしたが、
新製品ではサッシの表現が窓ガラスパーツ側となり、しっかり銀色に塗り分けられています。
また、嵌め込み窓となっておりボディとの差が少なくなっています。

(3) ドア窓と戸袋窓のHゴム(黄色の線で囲った場所)

ドア窓と戸袋窓のHゴムは、旧製品では車体にモールドされていましたが、
新製品では窓ガラスパーツ側に表現されています。
また、ガラスパーツはしっかり嵌め込まれていますから、
ボディとの差が少なくなり自然な印象になりました。

(4) 床下機器(水色の線で囲った場所)

旧製品と新製品を見比べますと、床下機器のパーツも追加され賑やかになっています。
(これは電気暖房の有無の違いでしょうか?)


旧製品はボディのモールドが全体的に強めで、
すなわちちょっと大げさな表現だったのですが、
新製品では控えめになったのでドアの引っ込み加減やドアコック蓋が自然体になりました。
良い感じの仕上がりではないでしょうか。


50系客車について

地方都市の普通列車で使われていた旧型客車を置き換えるため、1970年代後半~1980年代初めに製造されました。
この頃、東京・名古屋・大阪などの都市部では電化が進んだことにより電車が出揃い、
その近郊でも非電化区間であれば気動車が使われるようになり、近代化が進んでいました。

東北、山陰、四国、九州などの地方都市では客車列車が主流でしたが、
使われている旧型客車というのが戦前戦後に製造・修繕された古いものばかり。
内外装に木材が使われていたり、ドアが手動だったりなど、
老朽化の進行だけでなくサービスレベルの低下が問題視されていました。

そこで国鉄は普通列車用に新型の客車、50系を作って置き換えることにしたのです。

115系電車や40系気動車などと同世代の車両なので、
それに近い内装を持ち、ドアは自動化されて安全性が確保されました。
屋根は将来103系などと同じクーラーを搭載できる構造になっていました。
(実際には電源や予算の都合で設置されませんでした)
側面には自動方向幕を取り付けられる小窓が用意されていました。
(実際に自動方向幕を取り付けた車両はありません)
車体の色は交流電化区間で活躍中の機関車と同じ赤2号となりました。
寝台特急のブルートレインに対して50系は「レッドトレイン」と呼ばれるようになりました。

それまでの“古い一般用の客車”と比べて大幅なイメージチェンジとなったのは間違いありません。
1979年、鉄道友の会から技術的に素晴らしい車両に与えられる「ローレル賞」を受賞しています。(ちなみに同時受賞は京急800形)

しかし、国鉄・JRのダイヤは、
「長い列車で少ない運行本数」より「短い列車で多い運行本数」
を重視する方向へ変わっていった時代でもあります。
そうすると、客車列車よりも電車や気動車のほうが効率が良いので、
せっかく誕生した50系客車もだんだん使われる機会が減っていってしまいました。

13年程度で廃車となった車両もあれば、
気動車に改造された車両、ジョイフルトレインに改造された車両などもありましたが、
最後まで本来の用途である普通列車として使われたのは、
津軽海峡線快速「海峡号」や筑豊本線などでした。

2012年現在は北海道の「ノロッコ号」、
九州の「SL人吉号」、栃木県・真岡鉄道の「SLもおか号」で活躍中。
また、北海道の札沼線には気動車に改造されたキハ141系が健在です。


50系客車の編成例

それではトミックス製品の50系を使った編成例をご紹介しましょう。
お買い物の参考にしてください。

まずは基本編成から。

★3両編成 (オハフ50×2両、オハ50×1両)
オハフ50オハ50オハフ50

★4両編成 (オハフ50×2両、オハ50×2両)
オハフ50オハ50オハ50オハフ50

一番お財布に優しいローカル線運用に多い編成です。
全国的に一番多く見られたパターンでしょう。
1~2両のオハ50を、2両のオハフ50が挟む形が多いようです。


これを踏まえまして、編成を長くします。
なお、画面の横幅の都合で後ろの車両が改行されて表示される場合がありますのでご了承ください。


★5両編成 (オハフ50×2両、オハ50×2両、マニ50×1両)
マニ50オハフ50オハ50オハ50オハフ50
先ほどの4両編成に荷物車を1両連結したものです。
例:磐越西線、羽越本線

★6両編成・その1 (オハフ50×4両、オハ50×2両)
オハフ50オハ50オハフ50オハフ50オハ50オハフ50
先ほどの3両編成を2本つなげて作るパターン。
例:山陰本線

★6両編成・その2 (オハフ50×3両、オハ50×3両)
オハフ50オハ50オハフ50オハ50オハ50オハフ50
先ほどの3両編成と4両編成をつないでオハフ50を1両抜いたパターン。
例:奥羽線、高徳線、予讃線

さらに長くしてみましょう。

★7両編成 (オハフ50×4両、オハ50×3両)
オハフ50オハ50オハフ50オハフ50オハ50オハ50オハフ50
基本3両+基本4両のパターン。
例:羽越本線、筑豊本線、播但線、芸備線

★8両編成 (オハフ50×4両、オハ50×4両)
オハフ50オハ50オハ50オハフ50オハフ50オハ50オハ50オハフ50
基本4両×2本で作る8両編成。
例:男鹿線、徳島本線、予讃線、土讃線


これらを踏まえ、さらに編成を長くすると……横幅が1行に収まらないのでここまでにします。
特に長い編成の記録としては、
東北本線のオハフ50×4両+オハ50×5両の9両編成、
草津線のオハフ50×6両+オハ50×4両の10両編成、
日豊本線のオハフ50×6両+オハ50×7両の13両編成、
といったものがあったようです。

ただ、あまり長い編成になると、行先の異なる列車を2本つないでいる場合があり、
そういう列車だと途中の駅で増解結を行うことになります。
オハフ50が2両連続でつなげてある箇所が切れ目でしょう。



あと、オマケで他社製品とのコラボで再現できる編成を。

★コラボその1・オハフ50×2両、オハ50×2両、マニ50×1両、オユ10(カトーまたはグリーンマックス)×1両
マニ50オユ10オハフ50オハ50オハ50オハフ50
奥羽本線にあったそうです。

★コラボその2・オハフ50×3両、オハ50×1両、マニ50×1両、スユニ50(クロスポイントまたはペアーハンズ)×1両
スユニ50マニ50オハフ50オハ50オハフ50オハフ50
山陰本線にあったそうです。



50系客車の牽引に最適な機関車ですが、
東北地区ではED75、EF81、EF71、EF77、DD51など、
それ以外の地区では、DE10やDD51が使われることが多かったようです。
また四国ではDE10の他にDF50が牽引していたこともあります。

お気に入りの機関車でお楽しみください。



担当:カピの塚

参考文献:季刊「ジェイ・トレイン」 2012 Vol.44 (イカロス出版)
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