でかいぞ、つよいぞ、つかえないぞ? 「80cm列車砲ドーラ」

プラモデル
トメ子
でかいぞ、つよいぞ、つかえないぞ? 「80cm列車砲ドーラ」
ごきげんよう、トメ子です。
今日はドイツ第三帝国が誇る超ゲテモノ兵器のプラモデルでも紹介しましょう。

……と、書いたところで詳しい人は予想がつくと思うのですががが。


ドイツ列車砲 80cmK(E) ドーラ
ドーラ

ずどーん。

小型要塞と言っても過言では無いこの巨大砲台、名を「ドーラ」と言います。
同型で「グスタフ」というのも居ます。グスタフが一号機で、ドーラは二号機にあたります。

台車とか足回りとか

二列に並んだ線路。
これを牽引する為に専用の機関車を作ったという話もあります。
既にこの時点でコストがバカにならないと思うのですが、
恐ろしいことに実際の運用では砲身の交換用台車や
組み立て用のクレーンを載せた台車等も並走しなくてはいけない為、
複線どころか複々線?が必要になったそうです。

重心が心配

プラモ本体のギミックですが、大砲モノの定番・砲身可動は搭載されているようです(多分)。
他、薬莢や砲弾も付属するので、ちょっとした発射ごっこ気分は味わえるかもしれません。

ちなみにこの砲弾、実物の重量は7トン近くあったとか。
着弾した時の被害がどれくらいになるのか凄く気になるところです。
ちょっとしたクレーターくらいは出来そうですね。

せっかくの大型キットですから、ただ飾るだけじゃ寂しいというものです。
壊さない程度にあちこち動かせると面白そう。

大砲うごくよ

ライフリングや手すり、パイピング等細部の作り込みも徹底しており、かなり気合が入っております。
エッチングパーツも封入予定。個人的には砲架周りの形状をじっくり見てみたいところ。

胴体

鉄の塊と言っても過言ではない胴体部分。
左右に分かれた胴体を繋ぎ、その上に砲台を載せているという構造のようです。
史上最大の大砲ということで、知ってる人は知ってる的兵器のドーラですが、詳しい構造まではあまり知る機会が無いので、こうした絵はちょっと斬新ですね。


ちなみにこちらの商品ですが、完成時の全長は1111.6mm、全幅は210mmと尋常ではない大きさを誇ります。
果たしてパッケージの大きさがどのくらいになるのか定かではありませんが、製作なさる方はスペースの確保が急務かもしれません。

発売は10月下旬(※延期などが無ければ…)との事ですから、秋の夜長にコツコツ作ってみてはいかがでしょうか。
このくらいの巨大キットになると、完成させるのも数カ月は掛かりそうです。


と、いうわけで本日はこれにて!
来週もホビーサーチをよろしくお願いいたします。


担当:トメ子@東京ゴッドファーザーズもパプリカも千年女優も大好きでした……。(´;ω;`)











(゚∀゚)密かに続く、どうでもいいお話(゚∀゚)

ドーラですが、実機はなんと全長50m近くに及びます。
このような巨大兵器が誕生した経緯の一つにマジノ線というものがあります。

第一次世界大戦後、フランスとドイツの国境にはマジノ線という厳重な要塞線が造られました。
これは大戦で多くの被害を被ったフランスが、防衛重視の戦略へと転換する際に考案したもので、万里の長城の如く国境を要塞で固めてしまうというものです。

流石のドイツ軍もこれを正面突破するのは気が引けたのか、
要塞の射程外から高火力で攻撃できる砲台、即ちドーラ(グスタフ)の建造を計画します。
戦車や航空機と異なり、マジノ線は固定要塞ですから、大砲の目標としては最適でした。

開発開始は1934年、完成は1940年。
かくして6年がかりの大プロジェクトを経て、史上最大の大砲が誕生することとなります。



……


が。


その頃にはとっくにマジノ線なんぞ突破して、フランスは降伏していました。
ドイツの勝因はマジノ線を迂回し、アルデンヌという天然の要害を乗り越えた奇襲作戦であり……もうドーラ作った意味無いじゃn……げふげふん。


尤も、ここまで作ったドーラやグスタフがそのままお蔵入り……ということは無く。
幸いにも(?)何度か実戦投入の機会を得ます。ですがその評価は

「要塞攻略など目標が最適なら活躍できる。但し、使い勝手が凄まじく悪い」

という、すこぶる残念なものでした。

ドーラの運用には間接支援含めて5000人以上の動員を要し、更に前述の複々線やそれに伴う整地、レールの敷設、砲の輸送・組み立てなどにより攻撃可能な状態になるまで数週間掛かったとされます。
(時間が掛かったのは主にレールの敷設でしょうけれども)

しかも連合国側の反撃が始まると空襲によって線路が破壊・分断され、ますます運用が厳しくなりました。
ドーラ、グスタフに限らず、列車砲が抱える最大の弱点は線路が無いと動けないという点に付きます。

最後は悪化する戦況の中、連合軍に鹵獲されるのを恐れたドイツ軍自らの手でドーラ、グスタフ共に破壊されました。


とは言え、攻撃力と射程を両立させた兵器で、自軍の被害を最小限に敵の地上施設を破壊するという概念は、後のICBM(大陸間弾道弾)などに受け継がれていくので、決して歴史の徒花だったなどということはありません。


実用は兎も角、史上最大のカノン砲というだけで夢とロマンは十分詰まってると思うのです。
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