こんばんは。木曜担当のカピの塚です。
先週のブログで、修学旅行電車の話題に触れましたが、
そう言っていた矢先の今日、偶然にもMICRO ACEから
国鉄 159系 湘南色 (8両セット) と、
国鉄167系修学旅行色・冷改車 (8両セット)のご案内が舞い込んで参りました。なんとタイムリーなのでしょう。
本日、MICRO ACEから新製品としてご案内が来ました修学旅行電車は、
どちらも修学旅行電車としての使命を終えて、一般向けの急行列車や、
臨時列車などに転用されるようになった頃の姿を再現したものです。
といいますのも、1970年代も後半になると、
国内での修学旅行の移動手段が在来線から新幹線へと徐々に移行していきます。
また、ベビーブーム世代が巣立ったあとは子供の数も減っていきますから、
わざわざ修学旅行専用の電車を用意する必要性もなくなってきてしまいます。
また、派手なオレンジとイエローの2色塗りの「修学旅行色」は、
国鉄で車体の塗装に関する規定が改定されたことにより廃止され、
これらの修学旅行電車は一般的な急行電車と同じオレンジとグリーンの塗り分け、
いわゆる「湘南色」に塗り替えられていったのでした。
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国鉄159系 湘南色 (8両セット)
159系は初代修学旅行電車の155系の中京地区バージョンです。
見た目こそそっくりですが、改良型なので細かいところが違います。
中京地区に配備されたのですが、修学旅行電車としてよりも、
一般的な臨時列車として使うことのほうが多い、ということで
座席の配置は2列+2列になり、また便所や洗面所も一般的な配置になったようです。
また米原付近での降雪地域を走行するため、屋根の上にあるベンチレーターの形状が
寒冷地向けの「押込形」になっていました。
159系は修学旅行電車としての役目を終えると、
一般の臨時列車や団体列車に使われるいわゆる「波動用」になりました。
しかしその活躍も短く、製造から19年後の1980年には全車が廃車になりました。
最後まで冷房化改造されることなく、そして実に短命な電車だったといえます。
こちらのセットは8両全てが湘南色ですので、1970年代の後半頃、末期の姿になります。
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国鉄167系 修学旅行色・冷改車 (8両セット)
167系は、155系や159系の弟分みたいな電車で、
急行形電車の代名詞でもある165系をベースにして開発された修学旅行電車です。
見た目は165系そっくりですが、やはり修学旅行電車らしい狭いドアになっているのが
外見でもっとも判別が付きやすいところでしょうか。
その後、167系は修学旅行電車としての任を解かれると、
一般的な急行列車のヘルプ役に回ることになりましたので、
順次冷房改造工事と塗装変更作業が行なわれました。
塗装変更は1979年から、冷房化改造工事は1978年から、
それぞれ徐々に進められたのですが、これらの工事が終わるまでのごく僅かな期間に、
修学旅行色+冷房化改造車という、組み合わせになっていた時期がありました。
よって、こちらのセットは1978年~1981年頃の僅かな期間に見られた珍しい姿を再現という、
かなりマニアックな設定になっています。
167系については、国鉄の分割民営化後もJR東日本に継承され、
更なる改造や塗装変更が行なわれて、2003年頃までは色々な臨時列車で活躍しました。
残念ながら全車が廃車されてしまったため、実物は現存しませんが、
さいたま市の鉄道博物館には、先頭車の運転室付近を模したモックアップが展示されています。
このモックアップはかつて秋葉原の交通博物館に「なかよし」号として展示されていたものです。
交通博物館にあった頃はもう少し車体が長くて客席部分もあった覚えがあり、
私も座席に座ってみたことがありますが、ちょっと窮屈な感じがしましたね。
とはいえ、これで沢山の子供を乗せて、修学旅行の思い出作りに貢献していたのですね。
本日、問屋さんへ行ったとき、今回のMICRO ACEの新製品のポスターを見て早々に、
「修学旅行の時、何に乗りました?」
「ボクは湘南色のこまどり号で日光に行きましたよ」
「私は新幹線でした」
という感じのお話になったのですが、世代は違えど、
修学旅行の思い出というのは誰しもが持っている話題といっても良さそうですね。
そんな懐かしい思い出話が引き出されてくるのも、
また鉄道模型の楽しみの一つなのではないでしょうか。
それでは、この辺で失礼いたします。
担当:カピの塚@これから終電リレー