ごきげんよう、トメ子です。
今日は今月お目見えしたばかりの新プラモを紹介しましょう。
・
ロシア連邦軍 BMP-3 歩兵戦闘車/ERA装甲
このBMP-3。
素人目には戦車ちっくに見えますが、
これは歩兵戦闘車(IFV=Infantry Fighting Vehicle)という別ジャンルの機体です。
どちらかと言えば、兵員輸送車や装甲車のパワーアップ版とお考え下さい。
その昔、戦車に随行する歩兵は装甲車やトラックに乗って移動しました。
ところがこうした車両は火力も装甲も弱く、第二次世界大戦期に入ると
直接戦闘に巻き込まれる機会も増加するようになりました。
そこで考えられたのが、高火力と重装甲を備え、
そこそこの人数を収容できる車両……この歩兵戦闘車です。
BMP-3は冷戦末期に開発された火力最重視タイプの機体で、
主砲に100mm低圧砲、副砲に30mm機関砲を備え、主砲からは
レーザー誘導により対戦車ミサイルも発射可能という凶悪な代物です。
火力だけならば、当時の主力戦車T-80にも比肩するとされたBMP-3。
素の装甲もそれなりには強化されており、重機関銃程度ならそこそこ耐えられるそうです……
が。
流石に戦車相手の正面戦闘や、RPG7等の対戦車用兵器には耐えられません。
そこで出てくるのが、このERAです。
ERAとは、「Explosive Reactive Armour」の略であり、
日本語では爆発反応装甲、或いはリアクティブアーマーと呼ばれております。
上二枚の写真で、ゴテゴテとくっついた小さい箱っぽいモノが多分それです。
多分、というのは……
こちら、
素のBMP-3画像
と比較して差分から推測しただけなのですけれども。
リアクティブアーマーって、単品ではどうにも馴染みがありません。
「1/35用AFV対応、リアクティブアーマーセット」みたいな商品が
どこかから出てくれば面白いのですが。
さて。
リアクティブアーマーの具体的な構造についてですが、
これは2枚の鋼板に爆発性の物質を挟んだもので、
通常、戦車の追加・補助装甲という形で装備します。
要するにある種の爆弾をペタペタ貼りつけているということですが、
装甲としての原理は以下のようになります。
弾が飛んでくる。
↓
被弾する。
↓
ダメージが内部に至る前に爆発反応装甲がふっ飛ぶ。
↓
ミサイルの破壊エネルギーが逸らされる。
↓
だから中の人は無事。
当然ですが、ERAは拳銃程度じゃ爆発しません。
ある程度の威力を持つ弾が飛んできた場合にのみ作動します。
勿論、ERAが爆発した時に内部まで損傷することもありません。
あくまで都合よく爆発してくれる装甲です。
勿論、デメリットもあります。
表面で爆発する以上、元の装甲とて完全無傷では済みませんし、
爆発による破片の飛散によって随行する味方の歩兵を傷つけてしまう、という話もあります。
そんな肉を切らせて(?)骨を断つ的な、ちょっと面白装甲付きのBMP-3。
東側諸国の機体は馴染みが薄いものですが、
海外メーカーからはそこそこ頻繁にキット化されておりますので、
プラモ慣れしている方は是非挑戦して下さい。
それでは本日はこれにて!
来週もホビーサーチをよろしくお願いします。
担当:トメ子@BMP-3、実はロシア国内での使用より輸出が多いとか