春ですが除雪車の話題。

鉄道模型
カピの塚
春ですが除雪車の話題。
こんばんは。カピの塚です。

この冬は東京でも積雪を観測した日が何日かあり、例年に比べて雪が多かったなあという印象です。東京で雪が降ると、真っ先に交通機関に影響が出ますので、ホビーサーチでも残業を早めに終わらせて急ぎ足で帰っていくスタッフが見受けられました。

さて、冬の雪国で大活躍する鉄道車両といえば、ラッセル車やロータリー車といった除雪用車両。もう春だというのに、今回は除雪車の話題です。


日本列島の日本海側の地域では湿った重たい雪がどんどん降り積もり、雪かきしても雪かきしても追いつかないくらい降ります。線路上の雪もさすがに手作業で雪かきしていられる状況ではありませんので、国鉄時代からJRとなった現在に至るまで、除雪用の車両を製造して、豪雪地帯に投入しています。

DD53-2 ロータリー除雪機関車 改造後 (2両セット)
DD53-2 ロータリー除雪機関車 改造後 (2両セット)


DD53形もその一つで、新潟地区に導入された除雪用機関車です。先頭に取り付けたロータリーヘッドによって雪をかき集め、サイドから雪をぶっ放すという荒業を、20km/hという従来の除雪車両にはない速度で行なうことができる除雪用機関車です。写真をご覧の通り、大きな黒い口が雪を飲み込もうとしている様が覗えるかと思います。ただ、あまりにもパワーが強すぎるのか、ぶっ放した雪が架線を切断したり、沿線の住宅をぶっ壊してしまうなどの被害が発生したこともあるとか…。なんとも豪快な機関車です。

なお、前進するための動力を持つ機関車本体は後ろに繋がっている箱型の車両です。夏場は、ロータリーヘッドを取り外し、機関車単独で走らせることが可能です。客車列車の先頭に立つことも1970年代までにはあったのですが、最近は客車列車が殆ど無いので夏場は冬眠ならぬ“夏眠”をしていることが多いようです。

ところが、2号機が2006年に「ばんえつ物語号」の牽引に代打で出ることが決まるとさあ大変。ということで大変話題となりました。夏場に動くことがそもそもレア。約30年ぶりに客車列車の先頭に立つということでレア。そしてC57形180号機が整備中の間だけの期間限定という意味でもレア。今後このような機会があるかどうかも分からない、と来ればレアもの尽くしのフラグが立ったも同然です。

2007年にも「ばんえつ物語号」の牽引に代打で出ましたが、そのときにはかつて運行されていた寝台特急「出羽」「鳥海」のヘッドマークまで掲出して走ったので、レアな列車を写真に収めたいという方にとっては、より貴重な機会となりました。


DD53形2号機の滅多に無い晴れ舞台を再現したい方には、こちらの商品がおすすめです。

12系 「ばんえつ物語号」 (7両セット)
12系 SLばんえつ物語 (新塗装) (7両セット)
機関車用トレインマーク完成品 Part3(S7010) 4個入り
 ※「出羽」と「鳥海」を収録しています


それでは、その他の除雪用車両のご紹介をいたしましょう。

DD53-1 ロータリー除雪機関車 新庄機関区 (2両セット)
DD53-1 ロータリー除雪機関車 新庄機関区 (2両セット)

こちらは、先ほどと同じDD53形ですが、1号機になります。配備された場所が新潟→旭川→新庄という風に次々と変わっていったのですが、国鉄時代に廃車され、現在では『碓氷峠鉄道文化むら』に保存されています。

国鉄 DD53 ロータリーヘッド (組み立てキット)
国鉄 DD53 ロータリーヘッド (組み立てキット)

国鉄 DD53 II ディーゼル機関車 (組み立てキット)
国鉄 DD53 II ディーゼル機関車 (組み立てキット)

DD53形はワールド工芸からもリリースされております。真鍮製の組み立てキットですので、プラ製品よりもよりシャープな造型と重量感を求める工作派の方におすすめです。なお、ロータリーヘッドとDD53形本体はそれぞれ別々の商品です。

DD18-1 ラッセルヘッド付
DD18-1 ラッセルヘッド付

凸型ディーゼル機関車の定番・DD51形を改造して誕生したDD18形です。こちらのDD18形はただの除雪用機関車ではなく、山形新幹線と秋田新幹線の在来線区間でのみ使われる非常にレアな車両です。よって、一般の在来線では見ることはできません。残念ながら、後継の除雪車両の登場により引退してしまいました。

※山形新幹線の在来線区間=山形線。奥羽本線の標準軌区間
※秋田新幹線の在来線区間=田沢湖線+奥羽本線の標準軌区間


JR DE15形 除雪兼用ディーゼル機関車
JR DE15形 除雪兼用ディーゼル機関車

最近は稼働率が減っていますが、現在でも活躍中のDE15形。JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本の4社に分かれて配置されています。ベースとなっているのはDE10形ですので、ラッセルヘッド部分を取り外せば、DE10形そっくりになります。

トラムウェイ製DD13用 DD15用 ラッセルヘッド (組立キット)
トラムウェイ製DD13用 DD15用 ラッセルヘッド (組立キット)

こちらは、HOゲージ(1/80スケール)のラッセルヘッドの組み立てキットです。トラムウェイから発売中のDD13形に装着することで、DD15形のような除雪用機関車に早変わり、という雰囲気重視の商品。「~のような」という表現をしているのは、厳密にDD15形を再現するためにはDD13形の本体に除雪用機関車独自の装備を取り付ける改造をしなければならないためです。拘る方は改造を試みてはいかがでしょうか。

除雪アクション!DD14+DE10特雪セット
除雪アクション!DD14+DE10特雪セット

こちらはプラレールの除雪車セット。レール上に置かれた雪に見立てた白い玉をかき集めては吹き飛ばすという、実物さながらの除雪アクションが楽しめるギミックが付いています。プラレールのレールは通常はブルーですが、このセットに入っているものに限り、雪中を意識してホワイトとなっていました。現在は品切れですが、2009年冬の隠れた(?)人気商品でした。


MCR600タイプ 除雪用軌道モーターカー・赤 (越後湯沢)
MCR600タイプ 除雪用軌道モーターカー・赤 (越後湯沢)

MCR600タイプ 除雪用軌道モーターカー・黄色 (沼田)
MCR600タイプ 除雪用軌道モーターカー・黄色 (沼田)

MCR600タイプ 除雪用軌道モーターカー・青 (横手)
MCR600タイプ 除雪用軌道モーターカー・青 (横手)


JR東日本では、古くなった除雪用機関車に代わり、小型の除雪用モーターカーを導入しています。MCR600は配置されている支社ごとにカラーリングが異なり、マスコット的な雰囲気もかもし出しています。鉄道車両と同様に車輪を装備してレールの上を走りますが、機関車と異なりあくまでも除雪用の機械というポジションです。

模型のほうは、内蔵されているモーターのサイズの都合で、1/150ではない縮尺となっているようです。少々大きめですが、他の1/150スケールの車両と並べてもあまり違和感を感じないので、1/148前後でスケールダウンしているのかもしれません。この関係で、商品名には「タイプ」と書かれています。



除雪車両は営業車ではないので、一般の乗客が乗ることはできませんが、線路上に降り積もった雪を掻き集めたり、除けたりする様子は非常にパワフルです。雪国には無くてはならないものですから、雪の多い地域の鉄道車両を集めている方や、雪原をイメージしたレイアウトをお持ちの方にはぜひお薦めしたい模型です。除雪車両のコレクションで日本の冬を感じてみるのもおつなものかもしれません。

※注意:ここでご紹介した除雪車両のNゲージ・HOゲージは、実際に雪をどかすような機能は付いていませんので、くれぐれも実践しないようお願いします。


担当:カピの塚@パレオエクプレスが冬眠から覚めるのを待ってます。
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