第52回静岡ホビーショーレポート -GREENMAXストラクチャー編-

鉄道模型
カピの塚
第52回静岡ホビーショーレポート -GREENMAXストラクチャー編-
こんにちは、カピの塚です。

静岡ホビーショーのレポートの続きで、今回はGREENMAXのブースのレポートです。


★会場発表:東横イン

製品化決定・東横イン
製品化決定・東横イン


会場発表がいくつかありましたが、その中で一番インパクトが大きかったのはやはりこれでしょう。
全国チェーン展開しているビジネスホテル、東横インです。

日本全国の主要駅の近くにだいたいあると言っても過言ではないほど、よく見かけるビジネスホテルです。
私も旅先で利用したことがありますし、もちろん利用しなかった時でも比較検討候補の一つに出てきます。

その多くは看板のみならず、建物の意匠も全国でほぼ統一されているのが特徴です。
Nゲージ鉄道模型のストラクチャーとしてデフォルメしやすい建物と言えるかと思います。

東横イン イメージ
東横イン イメージ


現段階では発表のみなので、プラ板に簡易的に塗装したらしいイメージ模型が展示されていました。
これから模型の開発にあたって細部の作り込みが行われていきます。

東横イン (1棟入) (完成品)
東横INN (1棟入) (完成品)


東横INN イメージ
東横INN イメージ


こちらは最近増えつつある看板が「東横イン」ではなく「東横INN」となっているタイプ。
壁面の模様も良く見ると先ほどのとは異なります。

詳細は追って発表されますが、
以前発売された公団住宅と同様、KATOジオタウン規格に準拠して設計されるとのことです。

★着色済みストラクチャー

長年、レイアウト作りのお供として親しまれている同社のストラクチャーですが、
今年から「着色済みストラクチャー」と題したシリーズで、
当初から色付き成形プラの利用および塗装印刷を施したものが登場しています。
型そのものは昔ながらのものと同じですが、
着色されていることで急ぎでストラクチャーを用意しなくてはならない場合や、
塗装が苦手な人にとっては重宝されているかと思います。

着色済み土蔵
着色済み土蔵


複雑な模様は高精細印刷を施したという着色済み土蔵です。

着色済み 土蔵 (組み立てキット)

なお、従来からの未塗装版もあります。

土蔵・店蔵 (組み立てキット)

着色済み跨線橋(ライトグレー)
着色済み跨線橋(ライトグレー)


主に地上の駅でホームが複数ある場合、それらを結ぶのに必要となる跨線橋です。
今回はどこにでもありそうなライトグレーとライトブルーに着色したものが登場します。
展示品はライトグレーです。

着色済み 跨線橋 (ライトグレー) (組み立てキット)
着色済み 跨線橋 (ライトブルー) (組み立てキット)

既に発売中の淡緑色と、未塗装版もあります。

着色済み 跨線橋 (淡緑色) (組み立てキット)
跨線橋 (組み立てキット)

着色済み道路信号機・電柱
着色済み道路信号機・電柱


街並みを作るにあたって道路周辺を飾るアイテムといえば、信号機や電柱です。
なかなか細かい部品なので塗り分けに手間がかかることがあります。

そこで道路信号機はよく見かける色として、ライトグレー、ブラウン、ダークブルーの3色を設定。
また灯火の色も塗り分けてあるのもうれしいところです。

着色済み 道路信号機 (ライトグレー) (組み立てキット)
着色済み 道路信号機 (ブラウン) (組み立てキット)
着色済み 道路信号機 (ダークブルー) (組み立てキット)
着色済み 電柱 (ブラウン) (9本入) (組み立てキット)

未塗装版ももちろんあります。

道路信号機 (パーキングメーター付) (組み立てキット)
電柱 (12本入) (組み立てキット)

着色済み舗道
着色済み舗道


続いては着色済みの舗道です。

着色済み舗道・拡大
着色済み舗道・拡大


アップで撮影した写真です。
点字ブロックの黄色が塗り分けられています。
真ん中のサンプルはシンプルな舗道。
右のサンプルは歩行者と自転車で区分けされている舗道。自転車用の道路標示も印刷済みです。
左のサンプルはブロックの色がまだら模様に配置されている舗道。一部印刷がずれている?

着色済み舗道・作例
着色済み舗道・作例


この作例では先ほどの道路信号機、電柱などと組み合わせています。
これらを配置するだけでぐっと道路らしくなりますね。

着色済み 舗道 (グレー) (2枚入) (組み立てキット)
着色済み 舗道 (レッド+グレー・自転車用道路標示付き) (2枚入) (組み立てキット)
着色済み 舗道 (グレー・斑点模様) (2枚入) (組み立てキット)

もちろん未塗装版もあります。
着色済み版のほか、実際の舗道をよく観察して塗り分けに挑戦してみてください。

舗道セット (組み立てキット)


★復刻版ストラクチャー

かつてGREENMAXから発売されていたストラクチャーが復活します。
これらはいつの間にかカタログから姿を消してしまったものです。
昔から鉄道模型を嗜んでいる方には懐かしく、
近年鉄道模型を始めた方には新鮮かもしれません。

架道橋(小)
架道橋(小)


GREENMAXの架道橋は現在も継続して発売中ですが、
実は一回り小さい架道橋(小)が存在していたのです。
両サイドの面を合わせ、上面に道床なし線路を接着すれば完成です。
鉄道用に限らず道路用その他に改造できそうですね。

架道橋 (小・100mm) (組み立てキット)


直線勾配
直線勾配


地上の水平区間から高架や築堤などへ上がる際のアプローチに使う部品です。
かつて発売されていた頃は、「勾配土手」という名前だったようです。

直線勾配 (2ピース構成) (組み立てキット)

直線勾配・作例
直線勾配・作例


このように、線路を設置して使います。
法面には石垣模様が入るよう改良される模様です。

直線高架橋
直線高架橋

道床や線路を設置する床面と両サイドの壁面で構成される直線高架橋で、長さは200mmです。
壁はレンガ積みのような石積みのような模様で彫も深く、なかなか趣があります。
KATOやTOMIXから発売されている高架橋よりも古めかしいデザインです。
キットをストレートに組むと単線用ですが、プラ板を追加すれば複線以上に改造することもできそうですね。

直線高架橋 (200mm×3本) (組み立てキット)

実は「No.36 高架下の倉庫・店舗」にも同じものが入っているのでそれほどご無沙汰ではないのですが、かつてはこの直線高架橋部分だけが単品販売されていたのです。

直線高架橋・作例(1)
直線高架橋・作例


先ほどの直線勾配に接続した例です。
この作例ではTOMIXのファイントラックを取り付けています。

かつて発売されていた製品の線路を取り付ける床面の溝はギリギリTOMIXのファイントラックが入らない幅だったと記憶しています。
もしその当時のままの復刻であれば取り付けには加工が必要ですし、床面の幅の金型が改修されるのであれば問題ないと思いますが、この点は質問するのを忘れてしまいました。

追記:TOMIXのファイントラックをパチンと留めることができる幅に設計されているそうです。


直線高架橋・作例(2)
直線高架橋・作例


これは水平橋脚と組み合わせた高架区間の表現。
塗装の色合いの影響もあると思いますが、重量感が感じられる外観です。
でもプラなので持ち上げたら軽いでしょう。

曲線勾配
曲線勾配


先ほど登場した直線勾配と同様、アプローチに使う部品です。
曲線勾配は右回りと左回りがそれぞれあり、カーブの半径は315mmです。

曲線勾配 (右回り) R315 (2ピース構成) (組み立てキット)
曲線勾配 (左回り) R315 (2ピース構成) (組み立てキット)

半径315mmの他社製線路はKATOのユニトラックに同じものがあります。

曲線勾配・作例
曲線勾配・作例


曲線勾配を使ったジオラマです。
箱根登山鉄道をテーマに、スイッチバックのある風景を切り取ったものといえます。

曲線高架橋
曲線高架橋

こちらは曲線高架橋です。同じく半径315mm。
先ほどの直線高架橋と同様に床面と壁面を組み合わせる構造です。
ただし、壁面はカーブに沿って曲げて取り付けるようです。

曲線高架橋 (R315-30度×3本) (組み立てキット)

曲線高架橋・作例
曲線高架橋・作例


この作例ではTOMIXのファイントラックを取り付けています。
GREENMAXブースの案内係の方の話では「TOMIXさんのレールと同じ半径です!」とのことだったのですが、
TOMIXのファイントラックの曲線線路で数値が近いものは半径317mmなので、微妙に合わない気がするのですが大丈夫でしょうか。
TOMIXのファイントラックが取り付けられるよう金型が改修されるのかどうか聞くのを忘れました。
追記:TOMIXファイントラックのC317-45が嵌る構造になっているそうです。

先ほどの直線高架橋の長さは200mm。
GREENMAXの高架橋やホームは200mmを基準に設計されています。

TOMIXのファイントラックの直線線路は140mmを基準に、
KATOのユニトラックの直線線路は186mmを基準にそれぞれ設計されています。
曲線線路も各社ともに微妙に基準が異なります。

他社の線路を設置する場合はそのままでは長さや半径が合わない箇所が出てくると思います。
そこは適宜切断するなどして各自工夫といったところでしょうか。

また、道床(砂利部分)の幅は2社とも異なりますので、高架橋の床面にそのまま設置できるかどうか確認の必要がありそうです。
そのままでは設置できない場合は何らかの加工が必要になります。

おそらく、もともとはKATOやPECOのフレキシブル線路(道床無し線路)を使うことを前提に設計されていたストラクチャーだと思いますので、フレキシブル線路を用いた方が意外に楽かもしれません。

勾配橋脚・水平橋脚
勾配橋脚・水平橋脚

勾配橋脚・水平橋脚

勾配橋脚と水平橋脚も復刻となります。どちらも単線用で古めかしいデザインです。
当然、KATOやTOMIXから発売の橋脚とも違うデザインですので、ジオラマやレイアウト製作の時の選択肢の一つとしてよろしいかと思います。

単線勾配橋脚 (組み立てキット)
単線水平橋脚 (8脚入) (組み立てキット)

以上の復刻版ストラクチャーは、工作用の素材というニュアンスが強く、加工が伴うということを前提にするのがよいでしょう。
レイアウトやジオラマを作る際に新たなアイディアが湧いてくるかもしれません。

例えば、GREENMAXの高架橋の床面の中央に鉄の針金を置いて、
KATOやMORINの道路素材を使って舗装して道路化すると、
TOMYTECのバスコレ走行システムが走るガイドウェイバス的な建造物に…?
(※今、思いついたことを述べただけなので実験が必要です)



今回はストラクチャーを中心にご紹介しました。
それではまた次回。


担当:カピの塚@合言葉は「各自研究の上、創意工夫のこと!」


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