晩秋の秩父路

鉄道模型
カピの塚
晩秋の秩父路
こんばんは。カピの塚です。

去る11月23日に、埼玉県の秩父鉄道を訪問しました。この日、終点の三峰口駅では、創立110周年を記念した「秩父鉄道ありがとうフェスタ」が開催されていました。リバイバルトレインの展示、秩父夜祭の御囃子の演奏、スタンプラリー、ヘッドマークのオークション、屋台の出店など、様々な催しが行なわれていました。

※晩秋とは言いましても、実際の二十四節気では既に「小雪」なので晩秋は過ぎて季節は冬に突入してますけどね。えっ、こまけぇこたぁ…(ry

えー、それでは、ちょっとだけですが、この日の秩父鉄道の様子をご覧ください(写真は全てカピの塚撮影)。

・三峰口駅留置線にて並ぶリバイバルトレイン
秩鉄1000系リバイバル並び

創立110周年企画のひとつが、1000系に昔の塗装を再現したリバイバル列車です。

左の編成は、黄色+茶帯で国鉄101系が秩父鉄道に譲渡された当初はこのカラーリングでした。とても懐かしいです。昔、日曜朝のある戦隊モノ(タイトル失念)で、線路上で怪人や戦闘員を相手に戦っているところにこの電車がやってきて急ブレーキ、なんていうシーンがありまして。正面にでっかく「秩父鉄道」って書いてあるのでロケ地がモロバレでした。(・∀・)ニヤニヤ

右の編成は、100系から800系までの電車に採用されていた小豆色系のカラーリングです。各車によって塗り分けが微妙に異なるのですが、こちらの編成は100系の塗り分けを模したものになっています。1000系にこの塗装をやってしまうとは正直驚きでしたが、意外に似合っているところが不思議ですね。ちなみに、この編成はトミーテックより鉄道コレクションとして模型化される予定です。

・SL列車 パレオエクスプレス
パレオエクスプレス

秩父鉄道ではC58形363号機が牽引するSL列車「パレオエクスプレス」が冬季を除く土休日に運行されています。客車はいつも満席で、整理券の確保が大変な人気ぶりです。運行日には沿線でカメラを持った人が集まります。東京から一番近いSL列車であることも注目される理由の一つです。その上、現存するC58形のうち稼動しているのは日本中…いや世界中探してもここ秩父鉄道の363号機だけですので、そのレアさを求めて関東地方以外からも訪れる人は多いです。

この日は、祝日でしたので日章旗を正面に掲出していました。また、秩父鉄道創立110周年を記念したヘッドマークも装着。それだけでも豪華な装飾なのですが、秩父鉄道ファンどころかSLファンも度肝を抜かれるサプライズ仕様となって走行していたんです。なんと、写真のとおりデフレクター(除煙板)が、いわゆる「門デフ」に交換されていたのです。

※デフレクター:蒸気機関車のボイラーの両サイドに1枚ずつ設置されている板。
※門デフ(門鉄デフ):横長のデフレクターの通称。国鉄門司鉄道管理局の蒸気機関車によく見られた。


秩父鉄道では、サプライズ企画として、たった5日間の運行のために「門デフ」パーツを新規設計・発注したそうです。撮影時、「なーんかいつもと違うシゴハチだなー?」と思っていたのですが、門デフ仕様になっていればC58の顔つきも変わりますよね。まさか21世紀に門デフ仕様のC58が出現するとは、SLファンであっても予想外の出来事でしょう。どおりでカメラを持った人達がいつもより多いわけです。

C58形363号機は、過去にMICRO ACEKATOがNゲージで発売していましたが、今回の5日間限定の門デフ仕様がNゲージになる日は来るのでしょうかね?(0゚・∀・)


・三峰口駅で発車待ちの1000系(左)と最新型7000系(右)
三峰口で並ぶ1000系と7000系

左は先ほどご紹介しました、1000系の現在の標準塗装です。冷房化と前後して白を主体に4色の細い帯を入れたカラーリングとなりました。現在10編成あるうちの4編成が標準塗装です。「アルェー?標準塗装の編成のほうが少ない?」って気づいた方もいらっしゃると思いますが、先ほどのリバイバル列車2編成のほかに、国鉄時代の塗装に復元された1000系が4編成あり、中央線のオレンジ、総武線のカナリヤ、京浜東北線のスカイブルー、関西線のウグイス+黄帯といった内容になっています。バリエーションが豊富でとても賑やかになっています。

右は秩父鉄道の最新型電車、7000系です。最新とは言いましても、東急電鉄から譲渡された電車で、秩父鉄道仕様に改造されています。現在2編成あるのですが外観に違いがあり、写真の第2編成は中間車に運転室を取り付ける改造をしたため、秩父鉄道オリジナルの正面になっています。正面中央に非常扉があるように見えますが実はフェイクで、灰色のラインが扉のように書かれているだけです。しかも、正面の帯色は緑と黄色のグラデーションとなっており、モデラーの方を悩ませそうですね。ちなみに、このややこしい顔をしている第2編成を再現するための改造パーツセットが、あまぎモデリングイデアから発売中です。正面パーツや例のグラデーションのインレタが入っています。腕に自信のある方は、GREENMAXの東急8500系キットと組み合わせて作ってみてください。

・荒川橋梁を渡る7000系(第1編成)
有名な橋梁を渡る7000系

三峰口駅から離れまして、こちらの写真は秩父鉄道沿線の有名撮影地の荒川橋梁です。荒川の水流、古い煉瓦の橋脚、赤いガーダー橋、背景の紅葉、そして列車という、いわば絶景と言っても過言でない風景です。ここでカメラを三脚に設置して、水流の音を聞きながら、秋の日差しで日向ぼっこをしつつ、列車の通過を待つというのはなかなか趣があって良いものです。このような癒しの風景を、ジオラマ(レイアウト)として作ってみたいという衝動にも駆られます。

写真で橋梁を通過中している電車は7000系です。7000系は元東急8500系で、田園都市線(新玉川線)や地下鉄半蔵門線で主力として使われてきた電車です。東京都心と神奈川県の住宅地を結ぶそれこそ「都会の電車」だったのですが、秩父鉄道に譲渡されてこのような絶景の中を走ることになるとは、一昔前だったら想像もできなかったでしょう。

こちらは第1編成ですので、先頭車の外観は8500系そのままです。Nゲージにするなら、GREENMAXの東急8500系キットの改造で作ることができます。また、鉄道コレクションとしての発売も予定されています。



それでは、ブログ本文中にご紹介しました関連商品のおさらいです。

鉄道コレクション 秩父鉄道1000系 リバイバルカラー (3両セット) (鉄道模型)
 かつての100系の塗装を再現したリバイバルカラータイプの編成です。
鉄道コレクション 秩父7000系 (3両セット) (鉄道模型)
 12/3現在、手元の資料によりますと原型先頭車の第1編成として予定されています。
秩父7000系非貫通前面パーツセット (鉄道模型)
 改造先頭車の第2編成を作る方におすすめの改造パーツです(上級者向け)。
東急 8500系 (基本・5両セット) (鉄道模型)
 秩父鉄道7000系のほか、長野電鉄8500系、(インドネシア)ジャボタベック鉄道8500系の素材にもなります。

また、ジオラマ(レイアウト)作りの素材も取り揃えてございます。キーワードを「レイアウト用品・材料」や「情景パーツ」にて検索していただきますと、関連商品が表示されますので、ぜひどうぞ。



そういえば、今日は秩父夜祭の本番です。京都祇園祭、飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭の一つで、とても規模の大きなお祭りです。このブログを書いている頃、現地では大花火が打ち上げられているのでしょうか。秩父地方の人々は、その土地柄、郷土芸能・文化を大切にし、お祭りにかける意気込みもとても強いものだと感じます。その気質が、秩父鉄道のイベントにも現れているようで、SL列車の運行、オリジナルのヘッドマークの掲出、1000系へのリバイバルカラーの実施、C58の門デフ装備、臨時列車の擦れ違いの絶妙なタイミングに至るまで、趣向を凝らした企画はファンの目を楽しませてくれます。私も幾度となく秩父鉄道に乗ったり写真を撮ったりしていますが、そうして何度も通ってしまうような魅力のある鉄道だと思います。まだ秩父に行かれたことの無い方にも、ぜひオススメしたいです。

「おい、カピの塚!ウチは観光サイトじゃないぞ?」

あぁっと、Blog班リーダーの女史から指摘が来てしまいました。……なんか今日のホビーサーチBlogは観光情報サイト状態になってしまいましたが、鉄道趣味(乗り鉄や撮り鉄)は観光を兼ねてますからお許しください!

担当:カピの塚@秩父そば(゚Д゚)ウマー
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