ニュータイプの釜

鉄道模型
カピの塚
ニュータイプの釜
EF510 500 北斗星色
これがEF510-500なんだぜ。

かっこいい。これが21世紀のブルトレ釜…。


というわけで、こんにちは。カピの塚です。
今月のKATOの予定品情報のポスター見ましたか!?
EF510形500番台 北斗星色 がどーんと出ています。


EF510形500番台(以下、EF510-500と表記)は、JR東日本の新型電気機関車です。
「新型車の情報なんてありふれているでしょう」と油断したそこのアナタ!甘い!

何がどう凄いのかというと、

JR東日本が初めて導入する電気機関車

なのです。

JRには機関車なんていくらでもあるでしょうとお思いでしょう。
しかし、国鉄が分割民営化されJRとなって早20年余り。
6つの旅客鉄道会社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)と、
1つの貨物鉄道会社(JR貨物)になりましたが、

この20年の間に新型の機関車を導入したのはJR貨物だけなんです。

JR東日本を始めとするJRの旅客鉄道各社は、この20年の間に機関車を1台も作っていなかったのです。
つまり、国鉄から引き継いだ機関車を使ってなんとかやりくりして来た、というわけです。


新幹線の開業や、競合する航空・高速道路などの整備によって、在来線の長距離列車は減少傾向にあります。特に客車を使った長距離旅客列車(ブルートレインなどの寝台特急)は特に激減しています。そのため、それを引っ張るための機関車で新型を用意する必要性があまり無かったという判断がなされていたことは間違いないでしょう。


しかし、チケット競争率が高くてなかなか乗ることが出来ない超豪華列車の「北斗星」と「カシオペア」を始めとする、寝台特急を運行しているJR東日本としては、「そろそろ国鉄時代から使い続けてきた機関車にも限界が…」と思いつつある状況にあったことでしょう。


そこで、重い腰を上げて導入を決意したのが写真のEF510形500番台なのです。
この機関車、もともと

JR貨物が開発した機関車

でして、レッドサンダーの愛称で活躍中のEF510形を、JR東日本向けに仕様変更したものなのです。


「へぇー、JRどうしで同じ機関車を作ったんだぁー」程度に思ったアナタ、まだ甘いです。


JR各社は現在は独立してそれぞれが車両の開発を行なっています。
(そのため、同じ形式名の電車が会社を跨って存在するなんて事象も起きていますが…。)
すなわち、そのような状況にも関わらずJR東日本がJR貨物と同型の機関車を入れたということは、

JR貨物が開発したEF510形の素晴らしさが
技術的にも性能的にもJR東日本にも認められた


というわけです。


JR貨物のEF510形は日本海縦貫線と呼ばれる日本海沿岸側の各路線を中心に貨物列車で活躍中です。
まさに現在の日本の貨物輸送を支えるスター的存在の機関車となっています。
人気を反映してか、NゲージではKATO、TOMIX、MICRO ACEの3社から模型化されています。

EF510 (KATO)
EF510

EF510形電気機関車レッドサンダー(量産型) (TOMIX)
EF510形電気機関車レッドサンダー(量産型)

EF510-2 (MICRO ACE)
EF510-2


これらの製品は、実物がデビューして比較的早くにリリースされました。
各社とも模型化の腕を競っているかのように、続々と発売されたのは記憶に新しいところです。

つまり、EF510形は見逃せない機関車であるといえます。



今回、KATOからNゲージ化の発表がありましたEF510形500番台は、現在はデビューに向けて試運転中です。
実際のデビューはいつになるのかはまだ明らかにされておりませんが、
最終的には15台が導入予定で、“北斗星色”と呼ばれるブルーの車体は13台になるそうです。
寝台特急「北斗星」を牽引することはまず間違いないでしょう。

また、残りの2台は寝台特急「カシオペア」を牽引するため、車体色は銀色になるそうです。
こちらはまだ計画段階ですので、実物は出現しておりませんが、これからが楽しみですね。


KATOのEF510 500 北斗星色はただいまご予約受付中です。ぜひこの機関車で、Nゲージの世界で21世紀の北斗星を走らせましょう!


担当:カピの塚



<用語解説>
釜=機関車の俗称。語源は蒸気機関車で、石炭で水を沸かして(=釜炊き)動いていたことに由来します。
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