南海特急サザンのお出ましです。

鉄道模型
カピの塚
南海特急サザンのお出ましです。
南海ファンの皆さん、待ちに待ったサザンのおでましです。




……野球の話でもバンドの話でもありません。
こんばんは、カピの塚です。


僭越ながらサザンのバナーを作ってみた。たぶんサイズが合ってないと思う。

先週のブログでちょこっとだけ触れましたが、
「サザン」で活躍中の南海10000系電車がGREENMAXからNゲージ化されることになりました。
パチパチパチパチ~♪


●南海電気鉄道 (南海電鉄、南海電車) とは

ご存知無い方のためにサクッと解説。

南海電鉄は、日本において現存する最古の私鉄です。大阪の難波を起点に、和歌山、関西国際空港、高野山という3つの目的地へ向かう路線を中心とした鉄道を運営しています。大雑把に路線図を書くとこのようになります。

即席で作った南海電車の路線図だよ!
※クリックで拡大します。

大手私鉄の一つで、鉄道事業のほかにもバス(南海バス他)、海運(南海フェリー)、遊園(みさき公園)、ショッピングセンターなど、様々な事業をグループ会社とともに展開しています。かつてはプロ野球団の南海ホークスを所有していたことでも有名です(福岡ダイエーホークスを経て現在は福岡ソフトバンクホークス)。

●南海電気鉄道 10000系 電車 とは

10000系は1985年にデビューした特急「サザン」専用の電車です。

南海 10000系 サザン 新造編成 (写真提供:GREENMAX)

座席はリクライニングシートを装備し、全座席指定車として運行されています。
公衆電話、自動販売機、お手洗いなどもあり、充実した車内設備で難波駅~和歌山港駅の旅を楽しめます。

デビュー当時は2両編成でしたが、後に中間車の新造または改造を行なって全編成が4両編成に組み替えられました。また、当初はホワイトとグリーンを基調にした南海電鉄伝統の車体色でしたが、1992年に現在のシルバーメタリック地にブルーとオレンジの帯を入れた新色に塗り替えられています。


●特急「サザン」とは

南海本線/和歌山港線を経由して難波駅と和歌山方面を結ぶ特急です。終点の和歌山港駅からは、四国方面へのフェリーと乗り換えができます。これは、鉄道と航路の組み合わせにより、大阪と四国を結ぶ最速の連絡列車をルーツとしているためです。

※名称の由来については「南海」→「南」→「サザン」となったものと推測され、行先表示には南十字星を模した星のマークが書かれています。名前の上では南海道から南十字星へ発展したものと考えると、かなり壮大です。

「サザン」は、在来の通勤型電車を連結し、そちらを自由席車として運行するという私鉄では珍しい“2等級制”の列車でもあります。私鉄の特急というと、全車指定席となるか、全車自由席となるかのいずれかが多いです。

ちなみに、10000系を連結せず自由席車だけで編成された特急はサザンとは呼ばず、ただの特急となります。

南海電鉄の特急は、サザンのほかに関西国際空港方面へは南海本線/空港線の「ラピート」、高野山方面へは高野線の「こうや」「りんかん」があり、系統別に分かりやすく分類されています。

●“塗装済みキット”と“塗装済み完成品”のダブル仕様でリリース予定!

GREENMAXからは、“塗装済みキット”と“塗装済み完成品”の二つの形態でリリースが予定されています。

塗装済みキットは、純粋に工作を楽しみたい、自分なりに改造やディテールアップをしたい、工作する時間的余裕がある、という方におすすめです。塗装済み完成品に比べると若干お安くなっています。

塗装済み完成品は、買ったらすぐに走らせて遊びたいという方や、工作は苦手で失敗したら心配という方、工作に充てる時間が確保できないという方におすすめです。ただし、キットに比べるとお値段が高めになっています。

また、動力付きと動力無しのそれぞれのセットがありますので、自分で再現したい編成に合わせて購入検討ができます。


▼塗装済みキット
南海 10000系 「サザン」 トータル4輌編成セット (動力付き) (基本・4両・組み立てキット)
南海 10000系 「サザン」 4輌編成基本セット (動力無し) (基本・4両・組み立てキット)
▼塗装済み完成品
南海 10000系 「サザン」 基本4輌編成セット (動力付き) (基本・4両セット)
南海 10000系 「サザン」 増結4輌編成セット (動力無し) (増結・4両セット)


●プロトタイプは“新造編成”

南海10000系は、現在の4両編成に組み替えた際に、中間車の出所によって2種類の編成が存在しています。

(1) 改造編成
中間車に改造した元先頭車2両を、
既存の先頭車2両の間に挟んで4両にした編成

(2) 新造編成
新しく作った中間車2両を、
先頭車2両の間に挟んで4両にした編成

今回GREENMAXからリリースされる編成のプロトタイプは「新造編成」です。新しく追加した中間車は大きな連続窓となっており、既存の先頭車とはデザインが異なります。先ほどの写真で言うと、前から2両目と3両目が新造された中間車です。この新造編成では、1980年代と1990年代の異なるデザインが混在することを垣間見れる意匠といえます。


●楽しみ方

GREENMAXからはこのような形で編成図のご案内が届いております。

南海10000系 編成図 GREENMAX提供

基本セットでも増結セットでもそれぞれ別々に書かれていますね。
10000系はあくまでも4両が基本編成ですので、このような書き方になっているようです。



ここで、カピの塚が図に手を加えまして、より細かく説明しましょう。
実際のサザンと同じ編成にするならこのようになります。

←なんば ・ 和歌山港→
サザンの基本的な編成。ホビーサーチ編集。

和歌山港駅側に10000系を4両、なんば駅側に通勤型電車を4両連結。
この8両編成でOK!

模型としては10000系か併結相手の電車のどちらかに動力車があれば走行ができます。
なんば駅側に連結される通勤型電車は、原則として7100系または7000系の4両編成です。

GREENMAXから7100系と7000系は発売されていませんが、今年(2010年)1月にMICRO ACEから7100系の6両セットが発売されましたので、それをお持ちの方は7100系を4両連結すると、サザンらしい編成になります。



ちなみに、動力の入っているセットと、動力の入っていないセットを連結すると下記のような編成になります。これは2009年10月のダイヤ改正まで運行されていた8両全車指定席のサザンを再現できます。沿線の方にとっては、10000系だけのサザンは今では懐かしい光景になってしまったかと思います。

←なんば ・ 和歌山港→
10000系どうしの併結。全車指定席サザン。ホビーサーチ編集。



●これだけは言わせて

十年一昔とは言いいますが、昔はNゲージで南海電車を楽しむというのは非常にハードルの高いことでした。それは、他の大手私鉄に比べて南海電車の鉄道模型は“殆ど無かった”と言っても過言ではなかったからです。まずは、金属製のガレージキットや素材から探し始める必要があありました。そうでなければ、似た車両からの改造や、プラバンからのフルスクラッチ、最近ならBトレインショーティーの改造……となるかと思いますが、ユーザー自ら「作る」ことが必要だったわけです。

しかし、MICRO ACEから50000系「ラピート」が2004年にリリースされたことに始まり、今年は7100系6100系が発売されました。一方、トミーテックの鉄道コレクションからは、第3弾に21001系「ズームカー」第7弾に1521系、事業者限定品で22001系(いわゆる「角ズーム」)が発売されました。このようにして、少しずつではありますがここ何年かの間に南海電車のプラ製完成品が増えてきました。

今回のGREENMAXの10000系「サザン」の発表を聞いて、「いよいよサザンが来たか」と思った方は私だけではなかったと思います。良い時代になったものです。これから、南海ファンの皆様のNゲージライフがさらに充実していくことを願うばかりです。



担当:カピの塚@個人的には8200系が好きです。
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