知らない間に仕事が増えていて、ポルナレフ状態。
ごきげんよう、トメ子です。
今日は私の好きなマイナーメーカー(超失礼)、ブロンコモデルからこんなモノを紹介しましょう。
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米・沿岸戦闘艦 LCS-2 インデペンデンス
今年1月に就役したばかりの新型艦、アメリカ海軍の沿海域戦闘艦(LCS)です。
沿岸戦闘艦とも言います。現段階では試作~実用レベルですが、今後大量建造が計画されているとかいないとか。
この沿海域戦闘艦というのはアメリカ本土の沿岸警備を主任務とする船です。
運用的にはフリゲートに近く、船体の大きさも海自の護衛艦よりやや小さい程度です。
最高速は47ノット。
エラい速度が出ますけれど、米軍もメキシコ湾あたりで不審船を追い回したりするのでしょうか。
(確か以前紹介した、おおたか・しらたかでMAX44ノットです。)
インディペンデンスの外見で最も特徴的なのは、三胴船(トリマラン)と呼ばれる構造です。
画像の右下に船底の形状が見えますでしょうか。
これは三胴船の名が示すように胴が3つある船であり、複雑な形状からコストも大幅にかかりますが、飛行甲板を広く取れるというメリットがあります。
ちなみに画像自体は
ドラゴン/サイバーホビー社の1/700スケールキットから流用しました。
こちらのキットは残念ながら売り切れ中です。結構人気のあるキットでしたから、もしかしたら再販の機会がある……かもしれません。ドラゴンさんにお願いしましょう。
ちなみに実物の写真が見たい!という方は、「LCS-2」等のキーワードで検索すると
「山」の字をひっくり返したような異様な船底の形状を目にすることができます。
この三胴船構造から得られる甲板の広さにより、インディペンデンスは多彩な各種軍用ヘリを運用できます。
ある意味小型のヘリ空母みたいなもの……というのは言い過ぎかもしれませんけれども。
これもドラゴン/サイバーホビー社のキット写真ですが、近未来風の角張った形状はステルス性を考慮したが故の産物です。
性能的なお話になりますが、インディペンデンスは様々な任務や状況に対し、装備を自在に換装できます。
これは自衛に必要な最低限の装備を基本に、各種オプションを追加することで柔軟な運用ができるということです。
飛行機で言うマルチロール機の軍艦バージョン、レトロゲーム風に表現すれば、
ファイアーマリオとしっぽマリオとカエルマリオとハンマーマリオの違いみたいなモノです。
懐かしいですね、スーパーマリオ3。
トメ子は未だカエルマリオの存在意義が判りません。
閑話休題。
インディペンデンスの最も面白いところは、C4ISRというシステムを搭載し、これまでとは異なる新しい戦闘指導原理・ネットワーク中心戦 (NCW)に対応しているということです。
戦術システム関連は私もサッパリなので上手く解説できず大変申し訳無いのですが、
アメリカ海軍はネットワーク中心戦にシフトするから、ネットワーク・情報処理能力を頑張ったよ!
……ってことです。
ごめんなさい、今度ちゃんと勉強してきます。
_| ̄|.......○
ちなみにステルス性能はあれど、搭載レーダーやソナーは割と簡素なモノのようです。
これは飛行甲板で偵察ヘリを運用する為、わざわざ船体に高価・高性能なモノはいらないという考えでしょうか。
と、いうわけで。
インディペンデンス……即ち「独立」の名を冠してきた歴代の軍艦と比較すると、一見こぢんまりとして見えますが、その実力はアメリカを守る新世代の防波堤として相応しいモノと言えそうです。
それでは本日はこれにて!
来週もホビーサーチをよろしくお願いします。
担当:トメ子@だけど、今日は早く帰る
…
……
……トメ子の妄想コーナー(何)……
このインディペンデンスですが。
小型で高速、そしてステルス性が高い。
状況により適宜モジュールを変更することで柔軟な運用を可能し、
他の艦との連携・ネットワークを駆使した戦術(NCW)を取ることで、
より効率的に戦力を展開できるという構想。
アメリカ海軍と言えば、ドでかい空母や、原子力潜水艦など、重火力・重武装を数揃えたイメージが強いのですが、何故このようなモノを作るようになったのか。
ちょこっとだけ蛇足ちっくにお話しましょう。
そもそも重火力・重武装の艦は強力ですが、高価です。
しかし沿海域における戦闘では、折角作った高価な船を敵の安価な兵器で損傷させてしまうケースもありました。
これを「Cheap Kill」と言い、将棋で例えるなら歩で飛車・角を奪うようなものです。
(引き合いに出して良いのか少々迷いますが、韓国の哨戒艦「天安」を沈めた北朝鮮の魚雷攻撃も似たようなモノかもしれません。……違っていたらごめんなさい。)
アメリカは大国ですが、それでも高コストで作った船をポンポン沈められては堪りません。
故に比較的低コストで調達でき(インディペンデンスは三胴船と言えど、そもそもの構想自体が量産を前提としたモノであり、重量級の船よりは断然安価です)、仮に「Cheap Kill」を受けても被害を最小限に抑えられる新型艦の建造に至りました。
この発想は、冷戦の時期から仮想敵が変化しつつあるということを意味しています。
軍事費を投入して強大な兵器を作ることのできる大国よりも、装備が貧弱故に正面からは決して仕掛けてこない敵……例えば、アメリカに対するテロやその奥に位置する国家など。
私もきっちり理解しているわけでは無いので、アレですが。
とにかく、これまでとは異なる新しい構想を取り入れているというのは確かなようです。