第50回全日本模型ホビーショー2010レポート【鉄道会場発表その2】

鉄道模型
カピの塚
第50回全日本模型ホビーショー2010レポート【鉄道会場発表その2】
おはようございます。カピの塚です。
ホビーショーが終わってもうすぐ2週間が経とうとする今日ですが、
鉄道模型の会場発表品のレポートの続きです。

なお、諸事情により掲示物の一部写真には加工を施しております。

KATO

発売予定品情報 2011年 春
●E231系500番台 山手線 ホームドア対応車セット (2両)
KATOのブース
さよなら6扉車
ホームドア対応の最新形中間車
サハE231-4600番台、600番台!


実物の解説をいたしましょう。

現在、JR山手線のE231系500番台は10号車と7号車に連結していた6扉車を、
新たに製作した4扉車に交換する作業を進めています。

これは、ホームドア(可動式ホーム柵)設置工事に関連するものでホームドアの横幅や、
ダイヤ乱れ等で京浜東北線の電車が山手線の線路を走る際のドア位置合わせなど、
諸々の大人の事情がありまして、6扉車はいらない子となってしまいました。

6扉車といえば、平日朝の10時までは座席が収納されて広々とした車内、
混雑時には6扉のおかげで乗降がスムーズになるなど、大活躍しておりました。

E231系500番台自体は製造されてから一番古いものでも8年しか経っていないのですが、
いらない子となった6扉車は転用先が無いため廃車となる模様です。
耐用年数の半分くらいしか使っていないうちに廃車なんて贅沢だなーという声が聞こえてきそうです。

さて、6扉車とトレードの形でやってきた新しい4扉車は、
サハE231形4600番台とサハE231形600番台の2車種。
車両メーカーの生産ラインの都合でしょうか、
E231系とはいえE233系と同じ部品をところどころに使っているため、
E231系とE233系が混ざった意匠となっているところが面白いです。

KATOでは、そんな新しい4扉車を2両セットでNゲージ化します。
600番台のほうは従来車とほとんど同じ姿をしていますが、
4600番台のほうはE233系(京浜東北線)先頭車に合わせたためか、
不規則な窓配置となっていますので、個性が際立っている車両です。

なお、TOMIXからも同様のNゲージ商品の発売が予定されています。


複線線路の次期製品は、駅ホームを設置するための線路です!
今冬発売予定
●20-874 ユニトラック複線線路 駅構内線路セット V15
●20-875 ユニトラック複線線路 駅構内延長用線路

KATOのブース

車両関係の発表に目が行きがちですが、線路の新製品の発表もありました。
(もしかしたらセールスミーティングで発表済みでしょうか?)

KATOのユニトラック複線線路シリーズでは
これまで通常の複線用の線路だけでした。
しかし、複線というのは、列車が行き交う間隔だけで
設置されているわけではありません。

島式ホームのある駅では、複線の間隔を広げて
その間にホームを設置することになります。

今度は緩やかなカーブで複線間隔を広げ、
島式ホームが設置できる間隔にし、
駅を出たら再度もとの複線間隔に戻る、
そんな線路セットを発売予定です。

もちろんホーム延長にも対応するため、
延長用の線路セットも予定されています。



TOMIX

キハ58「砂丘」がリニューアルの上、再デビュー!
製品化決定!

●JR キハ58系急行ディーゼルカー (砂丘) セット
TOMIXのブース

キハ58系のNゲージ製品のリニューアルが進められていますが、
その一環として急行「砂丘」の予告が発表されました。
前回製品は2005年に発売され、品切れとなって久しいです。

急行「砂丘」は、鳥取と岡山を結ぶ列車です。
中国地方の山陰側と山陽側を結ぶ都市間輸送列車としての役割を担っていました。
この列車はすでに廃止されてしまいましたが、
末期はキハ58系リニューアル車によって運行されていました。
白と紫と水色の塗り分けがとてもさわやかです。

マニアックなのは中間に連結された「キロハ28形100番台」。
キハ58系のグリーン車は「キロ28形」ですが、
グリーン車の乗車率の事情に合わせて、
グリーン席と普通席と半々にした改造車が「キロハ28形」。

キロハ28形は国鉄時代、四国に1両だけ(1番)が在籍していたのですが、
急行列車の削減およびグリーン車の削減によって一旦消滅しています。

JR西日本は「砂丘」に使うため、4両のキロ28形をキロハ28形に改造するにあたり、
製造番号を飛ばして100番台(101番~104番)を付番しました。
改造時期も違えば使う列車も違うため、かつてのキロハ28形とは違うのです。


なお、写真右のキハ40系 旧JR北海道色は、既にご予約を開始しています。
【限定品】 キハ40系ディーゼルカー (キハ48-300・キハ40-100形・旧JR北海道色) (3両セット)
キハ40 100形 (旧JR北海道色・M)



第三セクターのニューアイテム 長良川鉄道ナガラ300形を追加!
製品化決定!

●長良川鉄道 ナガラ300形
TOMIXのブース

長良川鉄道のナガラ300形は、
富士重工のLE-DCシリーズと呼ばれる私鉄向け標準車体の軽快気動車です。
同型車を導入している鉄道会社は日本各地にあり、
各鉄道会社ごとに違う形式名が与えられ、
また独自のカラーリングが施されているため、
見た目も非常に楽しい車両です。

富士重工は鉄道車両の製造事業から撤退してしまいましたが、
新潟トランシスがLE-DCシリーズの技術を継承していますので、
現在もこれに近い車両が製造されています。

今年5月にTOMIXは樽見鉄道 ハイモ295-315形を発売しましたが、同型車です。
樽見鉄道、長良川鉄道と、カラーバリエーションの商品として、
シリーズ化されていくのか気になるところです。


勾配標準機のEF64形に茶色塗装をラインナップ
製品化決定!

●JR EF64形電気機関車(茶色)
TOMIXのブース

EF64形は国鉄の電気機関車で、勾配線区向けに開発されました。
よく見かける(見かけた)路線をいくつか挙げますと、
奥羽本線、中央本線、篠ノ井線、伯備線、青梅線など。
山のある所を走る路線で使われる機会が多いのです。
もちろん、それ以外の路線でも使われています。

すでにデビューしていたEF62形をベースとしているため、
似た系統のデザインになっていますが、細かい部分が異なります。
登場時期が近いEF65形1000番台とも似た風貌になってきているので、
この時代の電気機関車のデザインの変遷を見るのも面白いですね。

さて、今回製品化されるのは「茶色」と題されています。
EF64形の多くは青とクリーム色の塗り分けですが、
茶色一色に塗られたのはJR東日本に所属の37号機と41号機の2両のみ。
そのうち、現在も活躍中の37号機を製品化するとのことです。

団体専用列車、臨時列車、工事列車などの牽引に使われているほか、
寝台特急「あけぼの」や「北陸」の牽引実績もありますので、
これらの列車を再現されたい方におすすめの機関車です。

なお、37号機は第5次量産車に区分されています。
TOMIXでは、茶色の37号機だけでなく、
EF64形5次形として通常の色の車両も製品化予定とのことですので、
ご安心を。


TOMYTEC

路面電車シリーズ
鉄コレ 路面電車ラインナップ 企画進行中!
2011年春 発売予定

●TR014 伊予鉄道モハ2000形
●TR015 京都市交通局2000形

TOMYTECのブース

鉄道コレクションでは富山ライトレールを筆頭とする路面電車シリーズが展開中です。
いずれも低床型の最新の路面電車ばかりでしたが、
今回発表となったのは、昔ながらの路面電車。

京都市交通局2000形は6両が製造され、
1964年から1977年まで京都市電で活躍していました。
京都市電は全て廃線となりましたが、
2001号を除く5両は伊予鉄道へ譲渡され、
番号はそのままに形式名をモハ2000形に改めて現在も活躍中です。

同型の電車の京都時代と現在の姿を鉄コレにしたというわけですね。
塗装が変わったのはもちろん、ヘッドライトの位置や方向幕、
屋根上の冷房装置の有無など、様々な違いがありますので、
これらにぜひ注目したいですね。

商品名の冒頭にTR014、TR015とありますが、
これは鉄道コレクションの路面電車シリーズの番号のようです。
富山ライトレールなど従来品から数えると14番目と15番目の商品となります。


製品化決定!
鉄道コレクション
2011年度発売予定

●鉄道コレクション 長野電鉄2000系A編成(茶色)リバイバルカラー3両セット
●鉄道コレクション 長野電鉄2000系D編成(りんご色)リバイバルカラー3両セット

TOMYTECのブース

長野電鉄の2000系は特急用電車として50年に渡って活躍してきました。
現在、メインの特急は元小田急電鉄の1000系電車によって運行されていますが、
今も昔も長野電鉄の顔ともいえる電車であることには変わりありません。

2000系は4編成が製造され、現在も残っているのはA編成とD編成の2本のみです。
2007年よりかつて採用されていた塗装が復元され、
A編成は茶色(マルーンとも)、D編成はりんご色となっています。
「りんご色」とはクリームと赤のツートンカラーの塗り分けのことを指します。
見た目通りリンゴに似ていることからつけられたあだ名です。

TOMYTECの鉄道コレクションでは、2007年10月の第5弾にて非冷房時代を、
2008年7月にA編成現行塗装(当時)をそれぞれ模型化しましたが、
今回A編成が茶色となって帰ってきます。

また、D編成はA編成より7年遅れて増備されたため、仕様変更が行われています。
細部の違いもこだわる鉄コレですから、これらの表現が気になるところですね。


建設機械コレクション
3月発売予定
現場今昔

●建設機械コレクション Vol.2
リニューアル品発売予定!
●情景コレクションシリーズ 工事現場
●建物コレクション 建機レンタル屋

TOMYTECのブース

好評の建設機械コレクションにVol.2が登場します。
また、これまで発売された情景小物 工事現場ABCのリニューアル品、
建物コレクションの建機レンタル屋のリニューアル品もそれぞれ予定とのことです。

ジオコレ 2011年2~3月テーマ 『現場今昔』
TOMYTECのブース

さらに、ジオコレにテーマを設定し、来年2~3月は『現場今昔』と題して、
建設機械コレクションVol.2などを発売する予定ということです。

それにしても、Nゲージスケールですが建設機械はどれも大きくて迫力がありますね。
引きで撮った写真でもこのような目立ち方をしています。
情景小物の工事現場を周りに並べるのもよいですが、
建物コレクションの建築中の建物ABの他、
大きなものから小さなものまで建設途中の建物の模型が必要になりそうです。




担当:カピの塚@ここ最近ホビーサーチの近所では建物の解体と建設が絶賛開催中です。




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