E655系「和」のお召し列車を見てきました。

鉄道模型
カピの塚
E655系「和」のお召し列車を見てきました。
こんにちは、カピの塚です。

10月6日(土)の出来事です。

この日、山梨県甲府市の森林「武田の杜保健休養林」を視察された天皇、皇后両陛下が帰京のためお乗りになっているお召し列車が間もなく東京駅に到着するという情報を入手しておりました。そこで、仕事が終わったあと東京駅に行ってみました。

E233系中央線

ここはJR東京駅1番線ホーム。普段は中央快速線の電車が発着しています。到着までまだ30分以上あるのですが、普段とは違う物々しい雰囲気に包まれていました。一部の柱には立ち入りを規制するロープが張られるなど、厳重な警備が敷かれておりました。既に、情報を聞きつけている鉄道ファン、皇室ファンも徐々に集まりつつあったのです。

今回はそのお召し列車の到着の模様を携帯電話のカメラを使ってレポートしましたので、下手な写真ばかりですがご覧いただければと思います。

中央線の電車は10両編成ですが、お召し列車は6両編成ですのでホーム中ほどに停車します。冒頭のE233系の写真を撮ったあと、ホームの中央に行ってみたのですが、1番線側に不自然な空間を残して既に人だかりができておりました。

報道のテレビカメラも何台か待機しており、どの位置に列車が停まるのか、撮影する方向などのレクチャーを関係者から受けている様子で、まさにピリピリした空気が漂ってきました。

1番線の電光掲示を見ますと、19時22分発大月行き快速電車の次の行は「回送」の表示となっておりまして、ここにお召し列車が到着し、両陛下がお降りになったあと折り返し回送電車として出発することがわかります。

お召し列車が到着です。

19時27分、予定通りにお召し列車が到着です。ホームに立つ駅員さんは皆お辞儀をし、お迎えの東京駅長が敬礼をしてお召し列車の入線を見守っております。この瞬間、ホーム上に詰めかけた人々は一斉にカメラや携帯電話で撮影を始めました。1~2両目は随行員が何人か乗っている模様ですが、この状態なのでよくわかりません。

3号車

これは3号車。「ハイグレード車両」の一つでグリーン席の他にVIPルームがあります。お召し列車として運転される時は、いわば前室としての利用となっているそうです。カーテンが閉まっており中の様子はわかりません。

特別車両が見えてきました。

車体中央の3連続の窓が大きい車両が来ました。4両目に連結されているのが「御料車」すなわち両陛下がお乗りになっている「特別車両」(貴賓車)であります。東京駅長がちょうど出口付近に立っています。

両陛下がお降りになりました。

扉が開き両陛下がお降りになりました。人々のカメラの撮影が最高潮になっている瞬間です。私の背丈では何が起きているのかわかりませんので、手を思いっきり伸ばして高い位置からカメラで撮って見ましたが、こんな状態です。

私を始めここに集まった人の多くは、両陛下が「特別車両」の近くのエスカレーターをお使いになりコンコースに行かれるのかと思い込んでいたのですが、そうではないようです。

駅長が誘導中です。

東京駅長の誘導で有楽町寄りにあるエレベーターに向けお歩きになっているではありませんか。これに気付いた人たちが一斉に有楽町方向に大移動を始めます。この写真には辛うじて皇后美智子さまのお顔が写っております。

お手振りされる両陛下

両陛下は階段の脇で一旦歩みを止められ、集まった人々に向けてお手振りです!

私のカメラでもなんとかそのお姿をとらえることができました。カメラで撮影する人、両陛下に手を振る人、「陛下ーっ!」「美智子さまーっ!」と声をかける人、走ってエレベーター方面に先回りする人などなど、ホームは混乱の状況を呈して参りました。何も知らずに中央線に乗りに来た人たちも、両陛下の存在に気付いて慌てて写真を撮ったり手を振ったりと、パニック状態が発生していたのは言うまでもありません。

このあと両陛下はホーム有楽町寄りのエレベーターにてコンコースへ向かい、復元工事が完了した丸ノ内駅舎側へ進まれたようです。

さて、まだまだホームでの賑わいは終わりません。

僅かな時間で撮影タイム

お召し列車に使われたE655系「和」(なごみ)の先頭付近では、人集りが出来て撮影タイムとなっていました。と言いますのも、先頭部分に掲げられた菊の紋章と日の丸の旗がある状態で撮影できる機会はそう多くはありませんので、これをチャンスとばかりにみんなで撮影です。

画質が粗くなってしまいましたがご容赦を。

先頭部には近づける様子にはなかったので、人が少ないかなり離れたところから隙間を縫って撮ってみたのがこちら。引き延ばしてますので画質もひどい状態ですが、E655系「和」の先頭部らしき姿は見えるかと思います。日の丸の旗を取り外し、菊の紋章にカバーをかけて、回送列車として出発する準備が行われていました。


E655系「和」(なごみ)は、グリーン車扱いの「ハイグレード車両」5両、皇族や外国要人が利用する「特別車両」1両の計6両編成で構成されています。E653系「フレッシュひたち」やE257系「あずさ」などをベースに開発されました。直流1,500V区間、交流20,000V(50Hz/60hz)区間、いずれも走行が可能です。中央本線の断面の狭いトンネルも通過可能です。電源用のディーゼルエンジンを搭載しており、非電化区間ではディーゼル機関車に牽引される客車として走行が可能となっています。要するに、JR東日本管内ならどこでも走れるというオールマイティーな電車なのです。ハイスペックすぎて感心するばかりです。

ジョイフルトレインとしての利用も考慮された設計になっており、「特別車両」を抜いた残りの「ハイグレード車両」5両のみで運転されることもあります。その場合は、臨時・団体列車として設定されるわけですが、今のところJR東日本の会員制クラブ「大人の休日倶楽部」または大手旅行代理店が主催するツアーに申し込めば乗ることができるようです。ただし、年に何回かある程度のものですから、そう簡単に乗ることはできなさそうです。


ハイグレード車両の様子

回送電車が出発するまでの間に、中間車の様子も見てみましょう。こちらは1~2号車のどちらかだったと思いますが、ガラス越しに撮影した車内の様子です。ハイグレード車両と呼ばれるグリーン車で、ゆったりした大きな座席がなんと3列で並べられています。前後のシートピッチも広く、背もたれを倒しても十分に余裕がありそうです。

ハイグレード車両で発見した飲料容器

肘かけや窓の部分に木材が使われています。床には高級そうな絨毯が敷き詰められていますね。窓際に随行員の方が利用したと思われる飲み物が置いてありますが、グリーン車のクローバーマークが描かれているのがかわいいですね。横のおしぼりは「びゅう」のロゴが書いてありました。

不使用のパンタグラフ

編成全体では4基のパンタグラフがありますが、使用していないものもあるようです。おそらく予備で、緊急時などに使うのではないかと思います。

特別車両の外観

さぁ、「特別車両」です。つい先ほどまで両陛下がこの車両にお乗りになっていたんですね。

「ハイグレード車両」には、〝クロE654〟とか〝モロE655〟といったカタカナの形式記号が付いているのですが、この「特別車両」にはそのカタカナの記号が無く、英数字のみで〝E655-1〟と呼ばれています。中央の窓が3つ、上下方向に拡大されているのが特徴で、中央の窓の下には、菊の紋章を取り付けるための窪みがあります(この時間はもう取り外された後でした)。通常なら屋根の上にある空調設備が見当たりませんので、どこに取り付けてあるのでしょうね。

特別車両の外観、その弐。

角度を変えて反対側から。

車体の塗装はまぶしいほどの光沢を放っており、ホームに集まっている人々、そして景色を鏡のように映し出しています。この車体色は、ブラウンなのか、マルーンなのか、パープルなのか。具体的に何色と呼んで良いのかわかりません。光の当たり具合によって見え方が変わる、マジョーラ塗装と呼ばれる方法で塗られているそうです。そのうえで、ゴールドの細い帯が3本描かれています。

E655系「和」(なごみ)の実物を今回初めて見ましたが、その車両が持つ雰囲気や存在感はほかの鉄道車両には無い独特のものがありました。そして、内装もざっと見ただけですが、VIPと言いますか、セレブと言いますか、そう滅多なことが無い限り乗る機会がない別世界を感じました。




さて、E655系「和」(なごみ)ですが、なんとKATOからNゲージ鉄道模型で発売予定です。
現在、大好評ご予約受付中です。

KATO(カトー) No.10-1123
E655系 なごみ(和) (5両セット)
(12月発売予定、メーカー紹介ページ有)

なお、この商品は「ハイグレード車両」のみの5両セットとなっています。
特別車両」は含まれていませんのでお召し列車仕様とはなりませんのでご注意ください。




今回お召し列車の到着の様子を見学して、また一つ勉強になりました。

担当:カピの塚
ユーザー評価
ユーザー評価
この記事の評価は4.55です。
現在11名がこの記事を評価しています。  
カピの塚 の関連記事
夏から秋へと変わりゆく季節をジオラマで再現するアクセサリー
【急告】銀河モデル2月予定品のご案内
トミーテック新製品説明会レポート 2015夏【TOMIX編その3】
Bトレ阪急6000系のパッケージが涼宮ハルヒの聖地巡礼になっているとして俺の中で話題に