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こんにちはカピの塚です。
島根県は古くから出雲国、神話の里として有名で、
ランドマークとして最も有名なものといえば出雲大社です。
縁結びの神様の代表的な存在といえます。
その出雲大社へのアクセスに使われた駅がこちらです。
▼旧大社駅
どーんと構えたこの日本建築、とても風格のある建物ですね。
これがJR大社線の終点・大社駅の駅舎です。
現存する駅舎は1924(大正13)年に建てられた二代目のもので、
設計したのは当時鉄道省に技術者として従事していた曽田甚蔵。
この人物、JR中央線高尾駅北口駅舎を設計した人としても有名です。
大きな待合室、事務室、出札所の他に、
一・二等待合室(貴賓室)、手荷物扱い所などもあり、
実質的にターミナル駅としての設備を有しており、
出雲大社への玄関口として相応しい駅舎となっていました。
一般待合室は天井が高く、和風シャンデリアがいくつも設置されました。
まさに大正ロマンといったところでしょうか。
最盛期には東京からの急行「いずも」が乗り入れ、
他にも急行「大社」「だいせん」といった列車のほか、
さらにはお召し列車も発着するという賑わいでした。
しかしながら、大社駅は出雲大社まで1.6kmほど離れているようで、
徒歩またはバスを利用する必要がある距離です。
周辺の道路が整備され自動車の普及が進んだこともあり、
大社駅および大社線を利用する人は徐々に減っていきました。
JR大社線は廃止対象の地方交通線として指定されていましたので、
1990年3月末の路線の廃止とともに大社駅も役目を終えました。
大社駅の駅舎は保存され、観光施設として活用されています。
2004(平成16)年には国の重要文化財に指定されました。
廃止されても大事にされていることが覗えますね。
そんな大社駅の駅舎が、フローベルデよりNゲージサイズのペーパーキットとして発売予定です!
開発途中のサンプルをお借りしましたので、写真をご覧ください。
▼試作サンプル(正面)
正面からの写真です。
見事に1/150スケールに収められています。
▼試作サンプル(正面/斜め)
正面は左右対称のデザインになっています。
▼試作サンプル(背面/斜め)
背面の窓割りは左右対称ではありません。
写真左側は手荷物扱い所、中央部分は出札所、右側は事務室となります。
▼試作サンプル(屋根)
やはり注目はこの屋根の造形でしょう。
一般の瓦よりやや大きめの特注の瓦が使われていたそうです。
▼試作サンプル(屋根)
屋根の凝った装飾が威厳をより際立たせています。
これも一つ一つ取り付けていくとワクワクしそうですね。
▼試作サンプル(正面口)
正面口です。
入口自体はそんなに大きくはありませんが、
やはりこのような寺院風の駅舎となりますと、
日常とは違う別の空間に来たような気分になりそうです。
▼試作サンプル(背面/事務室側)
背面の事務室のあたりのズーム写真です。
窓枠一つ一つまでレーザーカットされているところは圧巻です。
▼試作サンプル(内部)
内装は現段階では事務室と一般待合室を区切る壁、
一般待合室と手荷物扱い所および一・二等待合室(貴賓室)を区切る壁のみが再現されています。
▼試作サンプル(内部/一等・二等待合室側)
内装はお客様が各自で作り込むのも良いかもしれません。
内装の工作に挑戦される方は、ぜひ実物の駅舎を観察すると良いでしょう。
「近代化産業遺産シリーズ」と題しまして、
フローベルデの大社駅駅舎キットは下記の3タイプにてご予約受付中です。
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旧国鉄大社駅 ペーパーキット (未塗装版)
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旧国鉄大社駅 ペーパーキット (塗装済版)
このキットは駅舎本体のみですので、プラットホームは付属いたしません。
お使いの線路システムやお好みで別途ご用意、もしくは自作をお願いいたします。
実際の大社駅を参考に他社メーカーのプラットホームを利用する場合、
所謂“列車線ホーム”と呼ばれる低いタイプがおすすめです。
下記に例を挙げましたので、参考にしてみてください。
<KATO(カトー)>
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ローカルホームセット (イージーキット)
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ローカルホーム延長セット (イージーキット)
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ローカルホームアクセサリー (KATOストラクチャーシリーズ)
<TOMIX(トミックス)>
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対向式ホームセット
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対向式ホーム 延長部セット
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島式ホームセット (ローカル型)
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島式ホーム (ローカル型) 屋根付延長部
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島式ホーム (ローカル型) 屋根なし延長部
<GREENMAX(グリーンマックス)>
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ローカル型島式ホームセット (組み立てキット)
JR大社線は単線で、大社駅構内ではポイントで3線に分岐します。
プラットホームは2面3線となり、
その先は再びポイントを経て線路が1線に集まり最後は車止めとなります。
機関車牽引の客車列車の場合は機関車を反対側に付け替える必要がありますので、
機回し線の機能を兼ねているわけです。
簡略的に配線図を書くとこのようになります。
▼大社駅風配線図
模型的には待避線を作るレールセットを二つと、車止めの線路を用意すると簡単に再現できそうです。
ご参考にどうぞ。
<KATO(カトー)>
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UNITRACK [V1] 島式ホーム用待避線電動ポイントセット (バリエーション1)
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UNITRACK 車止め線路C 50mm < S50B-C > (2本入り)
<TOMIX(トミックス)>
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Fine Track レールセット 待避線セットII (レールパターンB)
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Fine Track エンドレールE (F)
車両については急行「いずも」「大社」「だいせん」など、
お好みの時代の列車をぜひご用意ください。
またお召し列車も発着していたので一号編成も良いですね。
JR大社線の末期は他線からの直通列車が無くなり、
線内を往復運転する普通列車のみだったようです。
ちなみに、JR大社線の最終日は、当時テレビのニュースで
キハ58(28)+キハ40の2両編成が走っている映像を見た覚えがあります。
さらに調べてみると最終列車では
キハ45+キハ40+キハ58(28)+キハ58(28)
の4両編成での運転となったようです。
余談ですが、現在の大社駅には3番線にD51 774号機が静態保存されています。
大社線の列車のけん引に活躍したD51の功績を称えての保存だそうです。
それではまた次回。
担当:カピの塚