こんにちは、カピの塚です。
国際鉄道模型コンベンションでは、
各メーカーともに発売予定品の試作品サンプルを展示していますが、
いくつかについてはピックアップして、詳しくご紹介したいと思います。
GREENMAX
東急 8500系 “シャボン玉”
・実車画像
※クリックで拡大します。
[塗装済みキット]
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東急 8500系 シャボン玉 4輛編成トータルセット (基本・4両・塗装済みキット)
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東急 8500系 シャボン玉 増結用中間車6輛セット (増結・6両・塗装済みキット)
[塗装済み完成品]
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東急 8500系 シャボン玉 6輌編成基本セット (動力付き) (基本・6両セット)
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東急 8500系 シャボン玉 増結用中間車4輌セット (動力無し) (増結・4両セット)
8500系は、東京急行電鉄の通勤形電車で田園都市線を中心に運用されています。詳しくは
過去のBlogをご参照ください。
大半の8500系は先頭車正面に赤帯が入っているほかはステンレス地の車体ですが、一部の編成には特別な装飾が施されて異彩を放っています。それが今回、GREENMAXからカラーバリエーションの一環として発売予定なのが“シャボン玉”と呼ばれる8637F編成(※)です。
※「デハ8637」を先頭車とする編成(Formation)。
東急は赤をコーポレートカラーにしていますので、東急の電車は殆どが赤帯が採用されていました。しかし、この“シャボン玉”編成は青帯となっているだけでなく、その青帯が側面にも貼られていること、さらに7色のシャボン玉の絵も貼られているという、東急の電車の中では非常に珍しい編成となっています。
東急において“シャボン玉”などのポップな飾りが施されている編成は、「TOQ-BOX」と呼ばれ、特定のスポンサーによって車内広告が統一されています。JR東日本でいうところの「ADトレイン」にあたります。
ちなみに、2008年12月頃にメンテナンスの際に側面のシャボン玉装飾が剥がされてしまい、以前のようなポップさは減ってしまいました。
今回、GREENMAXから発売予定のシャボン玉編成は、スカートが装着された2003年度以降で、シャボン玉装飾が剥がされる2008年12月より前の約4~5年間を時代設定とした仕様となります。
・試作品画像 (メーカー提供)
※クリックで拡大します。
こちらはGREENMAXから提供された試作品画像です。
仕様については以下の通り説明されています。
・先頭車輛に描かれるシャボン玉を印刷にて表現。
・帯色は実車に倣い青色。
・屋根上のクーラーは、実物に倣い一部がステンレス製の銀色の物になります。
・画像の行先幕、ナンバー、女性専用車案内は、付属のステッカーを貼付しています。
続いて、国際鉄道模型コンベンションでの展示品の写真を撮ってきましたので、ご覧ください。
・試作品画像 (国際鉄道模型コンベンション/展示)
※クリックで拡大します。
従来品のエコノミーキットからこの編成を作ろうと尽力された方もいらっしゃると思います。
ステンレス車体に青帯という塗装はまだスタート地点でしかありません。一番の難関はシャボン玉の装飾でしょう。実車を観察してデカールの自作をしないと再現は難しいでしょう。シャボン玉は先頭車のみ貼られていますが、7色あり、大きさも異なります。しかも、ステンレスのコルゲート(波板)、ドア、窓など凸凹に関係なく貼られています。
これが印刷によって表現されているので、塗装済みという仕様は大変ありがたいものです。
・試作品画像 (国際鉄道模型コンベンション/展示)
※クリックで拡大します。
角度を変えてもう一枚。
屋根の上をご覧ください。この編成は1両あたり4基あるクーラーのうち、何故か違う型(しかも色まで違う)のクーラーが一部に搭載されているため、このパーツも別途調達してこなくてはなりませんでした。
もちろん、従来のエコノミーキットはいわゆる初期車なので、屋根のRの修正などもあるので、もっと作業量は多いのですが……。
これらのクーラーの違いも再現されるとのこと。これもありがたいですね。
このように塗装と装飾に手間が掛かるイレギュラーな編成なので、GREENMAXから塗装済みキット&塗装済み完成品にてリリースされることになったのは大変朗報であるといえます。
さて、GREENMAXブース内のレイアウトにて、デモンストレーション走行が行なわれていたので、その写真もご覧ください。
・試作品画像 (国際鉄道模型コンベンション/デモ走行)
※クリックで拡大します。
シャボン玉の装飾が非常に際立ちます。線路沿いの建物の色が車体に反射しており、ステンレスを表現している銀色にも期待が持てます。
・試作品画像 (国際鉄道模型コンベンション/デモ走行)
※クリックで拡大します。
側面からの写真です。凸凹部分にもかかわらず、シャボン玉の装飾の印刷は鮮明です。印刷技術の高さが伺えます。車番のプレートを再現したステッカーはまだ貼られていないようです。
・試作品画像 (国際鉄道模型コンベンション/デモ走行)
※クリックで拡大します。
最後尾車でちょっとブレ気味の写真ですが、テールライトが点灯していることがわかります。塗装済み完成品は、ヘッドライトとテールライトが標準装備です。塗装済みキットにおいても、別売りのライトユニットを組み込むことで、ヘッドライトとテールライトの点灯化が可能となります。
田園都市線仕様、大井町線仕様と続いたGREENMAXの東急8500系。シャボン玉編成の仕上がりも、同様に楽しみです。
担当:カピの塚@居眠りから目覚めてシャボン玉編成と伊豆のなつ編成を見かけると、電車を乗り間違えたかと寝ぼけます。
★カピの塚の独り言コーナー★
既に従来品のエコノミーキットやBトレ前面パーツ流用改造などで作成してしまった方にとっては「ついに塗装済みで出たか…」という、衝撃のニュースだったかもしれません。しかし、自ら作り上げた模型は苦労と努力の結晶であり、世界でただ一つの作品です。だからこそ、塗装済みキットや完成品が発売されたからといって、肩を落とす必要はありません。
●バックナンバー●
第11回 国際鉄道模型コンベンションレポート【フィギュア・Bトレジオラマ編】 (2010/08/24)
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第11回 国際鉄道模型コンベンション 【速報編その1】 (2010/08/26)
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